関由佳さん

インタビュー&構成:徳橋功
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Yuka Seki
内科医/アンチエイジングアドバイザー/野菜ソムリエ

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野菜の生かし方が上手な日本人こそ、ベジタリアンに対応できるはず。

 

 

 

 

2014年11月に、私たちMy Eyes Tokyo(以下MET)が学ばせていただくつもりで携わった食のイベント「Tokyo Smile Veggiesキックオフ!」。ベジタリアンとノンベジタリアンが一緒に食事を楽しめる環境を、東京中に推進していくことを使命に発足した団体”Tokyo Smile Veggies”(以下TSV)さんとの共催です。

ノンベジタリアンのカタマリのようなMETが、なぜTSVさんのような清く正しく美しい方々からお声がけいただいたのか。そのきっかけとなったのが、METも大変お世話になっているウェブメディア「ハフィントンポスト」に掲載されていたある記事でした。

「肥満大国アメリカでヘルシー弁当を売り、世界の飢餓を救うということ 東京の内科医・関由佳さん」と題されたその記事。自らの価値観やアイデアで世界と闘う日本人を取材してきたMETは、このタイトルだけで関さんに一気に興味を持ちました。そしてFacebookに「お会いしたい」と独り言のように書いたら、何と関さんがTSVさんのアドバイザーにご就任されるとのこと!そのような縁あって、METがこのイベントの共催を務めさせていただけることになりました。

イベント当日までお互いが忙しく、しかも当日に事前打ち合わせする時間もなく”公開インタビューの場で初顔合わせ”となったMET初のケース。それでも気さくな関さんとのトークを存分に楽しませていただきました。読むだけで何だかヘルシーになった気になるインタビュー、まずは気になる”お弁当 in ニューヨーク”のお話からどうぞ。

*インタビュー@フロマエcafe & ギャラリー(荒川区西日暮里)2014年11月16日
*撮影:深澤秀生

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内科医 x お弁当屋さん x NPO@ニューヨーク

私は完全なベジタリアンではありませんが、野菜はすごく好き。だから食事を見直せば、糖尿病患者の多くが健康を取り戻すことが出来るのではないかと思い、食と医療をつなげる活動を日本で始めました。西洋医学というのは基本的に対症療法なので、糖尿病についても血糖値の上昇をを薬で抑えていく治療法がメインです。でも私は、どうしても薬を使う治療に納得がいきませんでした。食べ物が糖尿病の原因なのに、なぜ食生活を改善せずに薬で押さえ込んでいこうとするのか、私は不思議に思っていました。そんな私の活動の一環として、ハフィントンポスト日本版でも記事にしていただいた「ニューヨーカーの肥満を日本のお弁当で解消し、世界の飢餓を救う」というプロジェクトを企画しました。

私が昨年留学したニューヨークには”Table For Two”(以下TFT)という日本発のNPOの支部がありました。食生活改善に向けて作られた定食や食品を購入すると、1食につき20円がアフリカの子どもたちの給食費として寄付される – TFTさんはそのような仕組みを作って途上国支援を続けています。元々私はTFTさんの運営メンバーさんと親しくさせていただいており、またTFTさんの活動にも参加していたこともあり、食の分野で一緒に何かできないかを話し合いました。

そこで出てきたのが、ニューヨーク中心部で展開している日本スタイルのお弁当屋”BentOn”さんでした。私は、自分が考案した糖尿病予防のメソッドをBentOnさんのメニューに取り入れることを考えました。糖尿病を予防するということは、コレステロール値や血圧を抑え、ひいては生活習慣病全般を予防することにつながります。私が提唱するメニューを作っていただくようBentOnさんにご提案させていただいたところから「日本のお弁当で肥満を解消し、世界の飢餓を救う」プロジェクトが始まりました。

私がBentOnさんで作らせていただいたメニューは①両手のひら一杯分のお野菜②手のひらサイズのタンパク質③こぶし大の炭水化物を盛りつけたもので、①→②→③の順番で食べていただくというものです。お野菜もなるべく色とりどりのものを食べるよう提案、タンパク質は濃い味付けにならず、最後にこぶし大の玄米を食べるように伝えました。おかずと一緒に食べないことが肝心です。私はメニュー開発だけでなく、そのような食べ方のレクチャーも現地でさせていただきました。

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関さんがプロデュースしたお弁当の数々
*写真提供:関由佳さん

このプロジェクトは今でも続いています。私がニューヨークにいた間にレシピを2回ご提供させていただき、帰国後の今もレシピ提案を続けています。

 

ベジタリアンがどこでも食事を楽しめる街・NY

私がニューヨークに行ったのは、現地のベジタリアンフード専門学校で学ぶためでした。1年間の滞在期間中、最初の半年間は料理専門学校に毎日通いました。午前中は座学で栄養学を学び、午後は料理を実践で学ぶ、1日約10時間のコースでした。

そして後半の半年間は、ニューヨーク市内にある様々なレストランでインターンをしました。ローフードレストラン、日本の精進料理を提供するレストラン、お客さんの好みに合わせて細かくカスタマイズするフードデリバリーのお店、日本人が経営しているヴィーガンカフェなどです。今ニューヨークは和食ブームで、私が携わっていた精進料理店も日本人経営のカフェも人気がありましたし、現地のスーパーでは普通にお味噌などの日本食が手に入るから、困ったことは一度もありませんでした。和食がニューヨーカーに注目されていることを感じました。

ニューヨークではどんなレストランでも、オーガニックに特にこだわっていないような普通のレストランでも、野菜だけのメニューがあります。だからベジタリアンとノンベジタリアンが一緒に行っても、違和感なく料理を楽しめます。私にはベジタリアンだけでなくノンベジタリアンの友人もいましたが、彼らと外食しても困ることはありませんでしたね。

 

「食の学校」を作りたい

私がニューヨークに留学したのはもうひとつ、私自身が構想している”学校”のモデルとなるところがニューヨークにあったからです。ベジタリアンとノンベジタリアンの、それぞれのメリットとデメリットを知り、いずれかを選ぶための正しい知識を習得できる場、料理だけでなく栄養学やいろいろなダイエット法を学べる場、最先端の健康情報をいち早くキャッチできる場を作りたいと考えていました。しかも日本人だけでなく、あらゆる国から集まって情報交換をするような場を、この日本で作りたいと思っています。

そして私がニューヨークから帰ってきた後に立ち上がった、東京のレストランにベジタリアンフードを普及する活動を行う”Tokyo Smile Veggies”(TSV)さんに、アドバイザーという立場で関わらせていただきます。元々は、TSVさんが立ち上がった時に私から「参加させて下さい!」って近づいていったんです。そしたらアドバイザーという肩書きをいただいてしまったのですが(笑)各種イベントの企画・実行を通じて情報発信や情報交換ができれば良いなと思います。また私は内科医ですので、医療面からもTSVさんの活動をサポートできればと思っています。

 

日本こそベジに合っている

食と医療の関係は、アメリカの方が日本より密接だと感じています。例えば私がインターンとして関わったフードデリバリーのお店には管理栄養士がいて、お客さんが抱えている問題を解決する食事を考えてオーダーメイドで提供します。薬に頼らない医療をアメリカ人が求めるのは、ひとえにアメリカの医療費が高いことも原因ですから、必然的にアメリカ人、中でもニューヨーカーの食に対する意識は日本人より高くなります。

でも日本人だって決して負けていないと思います。ニューヨーカーは男女共に仕事をしますから、自然と食事は外食になる。だからベジタリアンやヴィーガンに対応するレストランが普通にあるわけですが、日本では主婦や主夫がお弁当を作ったり、お料理を作る。家族が家族のために作るお料理は愛情がこもっています。私はそれが理想だと思います。

私は日本で食と医療の関係を追求し、ニューヨークで現地の食事情を見てきました。そしてそれぞれに良い面と足りない面があることを学んできました。アメリカだって全てが素晴らしいわけではなく、食の面での格差は広がっています。またアメリカでは、食はビジネスと結びつきがちです。

一方でヨーロッパでは、食は農業と結びついています。市場で新鮮な野菜を買うのはごく普通のことです。日本に合うのはむしろヨーロッパスタイルなのではないかと思っています。特別なものを特別なスーパーマーケットで買うのではなく、自分が納得いくような、美味しくて安心できる野菜が買えるような場があれば良いなと思います。

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日本は狩猟型の欧米とは違い、農で食を支えてきました。野菜の生かし方は、むしろ彼らよりも私たち日本人の方が上手なはず。あとはお金をかける対象をどこにするか、の問題だけです。私は日本こそ、ベジタリアンに合う風土だと思っています。

 

関連リンク

関由佳オフィシャルブログ「Dr.yukaのゆるゆるバランスダイエット」:http://ameblo.jp/dr-yuka/
「肥満大国アメリカでヘルシー弁当を売り、世界の飢餓を救うということ 東京の内科医・関由佳さん」(ハフィントンポスト):こちら
「日本を訪れる人たちに”真のおもてなし”を — Tokyo Smile Veggies」(ハフィントンポスト):こちら

 

MET People

中安敬子さん(自然学校 代表理事)
羽田賀恵さん(社会起業家)
大塚玲奈さん(エコ製品宅配サービス 運営者)

 

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