語学学習で絶対に効果を出す3つの黄金ルール②

マイク・キャドマン

 

私はを長年お教えしています。そして同時に、私も言習者です。そんな私から”を学ぶ上で心がけるべき3つのルール”というものをお伝えできればと思います。そのルールとは・・・

1.  ゆっくり学ぼう

2. 動詞に集中しよう

3. 単語ではなく文章を覚えよう

今回は2つ目の黄金ルールである

「動詞に集中しよう」

についてご説明したいと思います。

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動詞の大切さに気づいた瞬間

最近のレッスンで、私は言語学習や言語指導においてとても大事なことに気がつきました。

ある日、私の生徒の一人が困っていました。英語で何と言えば良いのかが、分からないようでした。彼女の思いが自身の口から出てくるのを待っていた時、私は突然気がついたのです。彼女が抱えていた問題点、それは「動詞を知らない」ということでした。

だから私は言いました。「一旦やめましょう」。そして彼女に、日本語で彼女が伝えたかったことを考えるように言いました。それから「あなたが考えた文章の、動詞だけを私に教えて下さい」と言いました。彼女は日本語で私に動詞を伝え、一緒に辞書で調べました。そうやって彼女は、英語でそれらの動詞を何とするのかを学びました。その後、私は彼女に「今作った日本語の文章は忘れて下さい。そしてただひたすら、英語の動詞だけに集中しましょう」と言いました。

それから彼女は”主語(S)””動詞(V)””目的語(O)”を使った英語の基本文型に沿って英文を作りました。こうして彼女は英語で完璧な文章を作れるようになりました。

 

動詞は「文章を前に”動かす””詞(ことば)”」

動詞が重要であることは当たり前だと思われるかもしれません。でも私は改めて、動詞こそが言語学習者が最も大事にしなければならない言葉だと気づきました。残念なことに、多くの人が注目する言葉は”名詞”です。でもいくら名詞を覚えたところで、それらが皆さんのコミュニケーションに効果をもたらすとは思えません。何故なら、名詞は文章を前に押し出す力を持っていないからです。

日本語の”動詞”という言葉を見てみて下さい。”動詞”の”動”は”動く”という意味ですよね。Verbが言葉を前に動かすと私は言いましたが、日本語ではすでに”動”という言葉が言葉の名称に組み込まれています。コミュニケーションを押し進めたいなら、皆さんが注目すべきは動詞なのです。

 

句動詞

今では動詞は、とてもシンプルな1語から成る言葉である時もあれば、ある時には”句動詞”という、まるで熟語のように複数の単語から成る言葉もあります。例えば・・・

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・Pick up:持ち上げる、拾い上げる、手に取る、など
・Come up with…:〜を思いつく
・Call off…:〜を中止する

上記以外にも、熟語になっている句動詞もあります。例えば、

・Look forward to…:〜を楽しみに待つ
・Play it by ear:楽譜なしで演奏する、で行う、その場の状況に合わせてやる
などですね。

 

形容詞の前にはBe動詞

または動詞に注目するのと同じように、形容詞(Adjective)に着目しても良いと思います。形容詞も重要な言葉です。でも気をつけて下さい。形容詞の前には必ずBe動詞が来ます。例えば・・・

・Be bored (with):(〜に)うんざりしている
・Be happy (about):(〜に)満足している

 

前置詞は動詞や形容詞とセットで覚えよう

そしてもうひとつ注意していただきたいのが、動詞や形容詞の後に続く”前置詞”(Preposition)です。前置詞は動詞や形容詞とセットで覚えると効果的です。

 

「時制」も大事!

文章を組み立てる時に動詞に注目する上で大事なことは、まだあります。それは「いつ、その行動をするか」つまり「時制」です。それは未来なのか、今なのか、定期的に行っていることなのか、過去なのか、またはそれは皆さんの生涯においての経験なのか?それをいつ行う(行った)かによって、動詞の時制は変わります。例えば・・・

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I will eat sushi for lunch tomorrow.
私は明日、お昼にお寿司をべます。
→未来の出来事なので、動詞は未来形。

I am eating sushi right now.
私は今、お寿司を食べています。
→今起きている出来事なので、動詞は現在進行形。

I eat sushi twice a month.
私はお寿司を月2回食べます。
→定期的な出来事なので、動詞は現在形。

I ate sushi for dinner last night.
私は昨晩、夕食にお寿司を食べた。
→過去の出来事なので、動詞は過去形。

I have eaten sushi only once.
私は今まで、お寿司は1度しか食べたことがありません。
→これまでの人生での経験なので、動詞は現在完了形。

 

目的語によって意味が変わる動詞に注意!

耳慣れた動詞も、いくつもの意味を持っていることがよくあります。例えば “Have””Make””Get””Take”などです。これらの動詞の場合、注意すべきは目的語(Object)です。その際、動詞と目的語をセットにして覚えると良いでしょう。例えば・・・

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Photo from MET English Talk

Have a good time 楽しい時間を過ごす
Make money お金を儲ける
Get a promotion 昇進する
Take medicine 薬を飲む

これらのように、英語では目的語によって「Have(持つ)」「Make(作る)」「Get(得る)」「Take(取る)」といった意味から別の意味に変化していきます。これは日本語と異なる点ですね。例えば”I will drink medicine”と言ったら、英語では違和感がありますが、日本語ではOKです。なぜなら日本語の「飲む」という表現は、薬にも使われるからです。でも英語では薬の場合”Take”を使います。

 

「ゆっくり話す」ことは鉄則!

前回私は「文章を話す時は、ゆっくりとした速度で一言一言を言うことが大事」だとお伝えしました(詳しくはこちらをご覧下さい)。そうすれば、皆さんの脳に考える余裕が生まれます。動詞の場合も同じで、ゆっくり話せば、その間に状況に適した動詞の時制を考えることができます。

何かが起きた際、それがいつ起きるのか、いつ過去形を使い、いつ未来形を使うのか。私たち英語話者は、それらをほぼ例外なくはっきり言葉にします。それをぜひ念頭に置いておいて下さい。

さて次回は最終回。3つ目の黄金ルール「文章を全て覚えること」についてお伝えします。お楽しみに!

 

マイク・キャドマン
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カナダ出身、東京在住の家兼ブログライター。好きなことは、書くこと、言語学習。過去に2冊の英語テキストを執筆。

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関連リンク

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①ゆっくり学ぼう:http://www.myeyestokyo.jp/50440
③単語ではなく文章を覚えよう:http://www.myeyestokyo.jp/50942
マイク・キャドマンさんインタビュー: http://www.myeyestokyo.jp/6347

 

*企画:田中千恵子
*日本語訳:徳橋 功

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