成田~バンクーバーが3万円!ZIPAIRバンクーバー線 2024年3月13日就航

インタビュー:徳橋功/ホフ・ジェニファー・アンドレア
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※画像提供:ZIPAIR Tokyo

 

私たちは日本の”おもてなし”を提供する、日本の心を持ったエアラインでありたいと思っています。

 

昨年(2023年)夏、私たちMy Eyes Tokyoは多文化社会の視察および取材のためにカナダへ飛びました。コロナ禍から明け、大勢の人たちが飛行機を利用するようになったためか、その運賃は決して安いとは言えず、私たちは数ある選択肢の中から何とか最安値のチケットを見つけ、購入しました。

そんな私たちは日本帰国後、あるニュースに衝撃を受けます。

東京~バンクーバー 片道最安値28,950円

東京バンクーバー間の航空運賃は片道で安くても10万円以上かかるのが普通。それがたった3万円とは・・・

このような”価格破壊”を敢行したのは、日本航空の子会社で国際線専門LCC(Low-Cost Carrier:格安航空会社)である”ZIPAIR Tokyo”(以下ZIPAIR)。2020年6月に発足したこのエアラインの最大の特徴は、ホノルルやロサンゼルス、サンノゼ、サンフランシスコといったアメリカ各都市にまで就航していること。これは他の日系LCCには無い特色であり、またアメリカのLCCにも日本に就航しているものは存在しません。つまり日米間を最も安く移動したい場合、このZIPAIR一択となるのです。

それでも「ライバルは日本と北米を結ぶフライトを持つ全ての会社」と緊張の糸を緩めない、国際線中長距離LCCのZIPAIR。その背景には、発足当時はコロナ禍のために貨物便からのスタートを余儀なくされ、ソウルやバンコクへの旅客運航開始後も乗客わずか2名という厳しい船出を強いられたことがあるのかもしれません。しかしその後はアジア、東南アジア、アメリカへの路線拡大を経て、昨年9月に累計100万人の搭乗を達成。そして2024年3月13日、ZIPAIRはついにカナダへ。当エアラインにとって9都市目となるバンクーバーに就航しました。


成田空港で行われた就航記念セレモニー
※撮影:My Eyes Tokyo、ホフ ジェニファー


バンクーバー国際空港で行われた就航記念セレモニー
※写真提供:ZIPAIR Tokyo

運賃面では正に画期的とも言えるバンクーバー線就航に至る背景や経緯について、ZIPAIRマーケティング担当の森本マークさんにお話を伺いました。

※インタビュー@ZIPAIR Tokyo本社(成田空港内)

 

まずは個人的な質問で恐縮ですが、森本さんはバンクーバーへ行かれたことはありますか?

森本さん:何度かあります。私自身は米ロサンゼルスで生まれ育ち、現在は日本に住んでいますが、私の姉がシアトルに住んでいます。その姉と一緒にシアトルからバンクーバー島のビクトリアへフェリーで行き、そこからバンクーバーに行きましたね。

 

今回のバンクーバー線就航の背景について教えていただけますか?

森本さん:はい。その前に少し、弊社の北米路線が生まれた背景をお話させていただければと思います。

私たちは日本のLCCで唯一、北米各都市に就航していますが、それは様々な人たちのご意見やご要望の産物です。一時的にアメリカに滞在している日本人や、私のような日本にルーツのあるアメリカ人に限らず、それ以外のアメリカ人たちからも「日本に行きたいが、チケットが高すぎる」という声を聞いてきました。日本へはお一人で行かれる人もいらっしゃいますが、ご友人やご家族で行かれる人たちが多い。特に家族となると、4~5人分のチケット代をお父様やお母様など誰かが負担することになるでしょう。そうなると大変な出費となり、それが日本に行くことを踏みとどまらせる原因となります。このような人たちのご要望に応えて行くために、サービスや料金体系を考えた末に生まれたのが、弊社の北米路線です。

時期にもよりますが、実際に利用される人たちの7~8割がアメリカ現地からのお客様。特にコロナ禍が明けた昨年がそうでしたね。それまで数年間閉ざしていた門を日本が開けた瞬間、お客様が弊社の便に殺到したのです。しかもその約7割がZ世代と呼ばれる20代、そして30代という、従来のフルサービスキャリア(※複数の座席クラスを用意し、機内食や飲料もあらかじめ運賃に含めて提供する航空会社)ではリーチが難しい人たちでした。

一方で、コロナ禍が明けて日本から北米に向かう人たちも出てきました。成田空港の弊社のカウンターにいらっしゃるお客様とお話すると「実は私はバンクーバーに行くんです」と。例えば成田からロサンゼルスまでZIPAIRで飛んで、そこからバンクーバーへ他の航空会社さんを利用して向かうという人たちが一定数いることが分かったのです。私たちは「バンクーバーも就航地の一つになり得る」と思い、バンクーバー線就航を決めました。

 

こうして昨年末にバンクーバー線就航を発表し、チケット販売を開始されましたが、驚かれたことはありますか?

森本さん:販売開始から数週間で、成田およびバンクーバーを出発する初便のチケットが完売しました。それ以降も売れ行きは好調で、就航前の段階で3月および4月の成田発については完売、バンクーバー発もほぼ完売している状況です。成田からバンクーバーに行く便への需要はもちろん、バンクーバーから成田に来て日本に滞在する人たち、バンクーバーから成田を経由し、別の航空会社さんで様々な場所に行く人たち、さらに成田から弊社の便でアジアや東南アジアの各都市に行く人たちからの需要も想定していました。恐らく私たちが就航の正式発表を行う前の昨年11月、日本および現地のバンクーバー観光局に、弊社のバンクーバー線の現地プロモーションへのご協力を求めたことも功を奏したのだと思いますが、私たちのような従来には無い斬新なエアラインが、そのような需要を掘り起こしたことを証明しました。

それを受けて私たちは今年2月、バンクーバー線の増便を発表。今年の7月23日から10月26日にかけて、それまでの週3便の運航を週5便に増やします。

私たちのチケット販売の特色をここで申し上げると、私たちは片道分のチケットしか販売しません。片道分のチケットを、皆さんのスケジュールや、次の目的地に合わせて購入し、皆さん独自の旅を作っていただければと考えています。


スマホでチケット予約から搭乗までできるZIPAIRアプリ。画像クリックでダウンロードできます。

 

今後の御社の、北米ならびにそれ以外の地域への就航計画および路線計画について、可能な範囲で教えていただけますか?

森本さん:私たちは東アジア、東南アジア、北米西海岸を就航地としていますが、お客様や各業界、各地域、各国政府からのご要望を頻繁にお聞きします。例えば「ヨーロッパに飛んでほしい」「北米の東海岸に飛んでほしい」などです。まだ決定していませんが、これからも新たな就航地を見つけていきたいですね。

 

そのような構想をお持ちのことに驚きます。私たちは「LCCが日本からヨーロッパや北米東海岸までという長距離を飛べるのか」と不思議に思ってしまいますから。

森本さん:正直申し上げると、私たちはLCCであるとは思っていません。かと言ってフルサービスキャリアでもない。弊社のスローガンは”NEW BASIC AIRLINE”。この言葉に「航空業界の新しい基準を作っていく」という私たちの意思が表れています。

私たちはお客様の声に耳を傾けます。先ほどもお伝えしたように、弊社カウンターにいらっしゃるお客様と会話しながら新たなサービスを構築したり、従来のサービスを改善したりすることは、その一例です。それは私たちが日本の”おもてなし”を提供する、日本の心を持ったエアラインでありたいと思っているからです。

それと同じくらい私たちが大切にしていることがあります。それは”サステナビリティ(持続可能性)”です。例えば私たちの飛行機の座席には、映画やゲームを楽しむための画面がありません。一つの画面はとても重く、それらを座席に搭載したら重量が増え、より多くの燃料が必要になるからです。

座席にスクリーンが無い代わりに、ZIPAIRは機内Wi-fiを無料で提供している。自分のスマートフォンやタブレットなどの端末でウェブサイトやSNSを、さらには映画などがラインアップされている独自プログラムを見て過ごすこともできる。将来的には人工衛星による通信サービス”Starlink”が導入される見通しで、ビデオ会議やストリーミングを機内で行えるようになる。
※画像提供:ZIPAIR Tokyo

また機内食を事前予約することで、フードコストとフードロス双方の削減を実現しています。

素材や味付けにこだわった食事の数々が端末から事前予約可能。
※画像提供:ZIPAIR Tokyo

そして2023年4月には、弊社のホノルル線でカーボンニュートラルの実現に取り組み始めました(詳しくはこちらをご覧ください)。

私たちは航空会社がこれまで提供してきた一つひとつのサービスを見直し、環境面などに配慮して、必要が無いと判断したものを省いてきました。私たちがLCCと呼ばれるようになったのは、運賃を安くするためというよりは、そのような努力の積み重ねの結果であると感じています。

リーズナブルな料金で中・長距離を飛び、新しい付加価値をお客様に提供することが、私たちZIPAIRの使命。やがて他の航空会社さんも私たちに追随し、最終的に航空業界もお客様も、私たちが掲げる”NEW BASIC”で全員が得をする状況になるのが、私たちが描く理想の未来です。


ZIPAIRは自らを”夢を叶えるために海外に飛び立つ若者たちの翼”と位置づけている。

 

日本からバンクーバーへと赴く人たちにメッセージをお願いします。

森本さん:私たちは皆さんと成長し続ける航空会社になりたい。だから皆さんにZIPAIRに乗って海外に行っていただければと思っています。そしてご搭乗いただいた上で、ご意見やご感想を私たちにどんどんおっしゃってください。厳しいご意見にも真摯に耳を傾けたく思います。

カナダでチャレンジしたいという人、ぜひ私たちのバンクーバー線でサポートさせていただけたらと思います!


※撮影:(My Eyes Tokyo)ホフ ジェニファー

 

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