海外進出を成功させる調査設計~現地文化と市場の理解~
2001年の設立以来、市場調査を行う株式会社アスマーク。累計の調査実績は4万件超、政府や大学・大手企業・中小企業など幅広い調査実績を誇ります。
アスマークはインバウンドや海外市場に関する調査など、あらゆる背景を持つ人たちの協力を得て行うプロジェクトも多数実施。海外の人たちとのコミュニケーションにおいて、多くの日本人にとって参考になる、そのご経験やご見解を紹介いたします。
※本記事は、株式会社アスマーク様のセミナー内容をもとにコラム化されたものです。
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海外進出成功の鍵は”現地を知ること”
近年、インバウンド需要の回復を背景に、日本企業の海外展開が進んでいます。それに伴い、海外市場で的確な意思決定を行うためのマーケティングリサーチの重要性も高まっています。
一方で、海外市場では文化や生活習慣、価値観が国や地域によって異なるため、日本国内と同じ調査手法では期待した結果が得られない場合があります。そのため、調査票やインタビューは単なる翻訳ではなく、現地の文化や生活様式を反映したローカライズが不可欠です。弊社は最大で56か国以上での調査に対応し、各国の文化や事情に合わせたマーケティングリサーチを実施しています。
本記事では、海外調査で押さえるべきポイントや実際の調査事例を通して、海外マーケティングリサーチの考え方や実践についてご紹介します。
世界のマーケティングリサーチ市場動向

現在、世界のマーケティングリサーチ市場はアメリカが圧倒的な規模を占めており、イギリスがそれに続いています。また近年ではインドが大きく成長し、中国を上回るなど、市場の勢力図にも変化が見られます。一方、日本はフランス、ドイツに続く8位となっており、そのすぐ後に、2021年までトップ10圏外だったスペインがランクインしています。

地域別に見ると、ヨーロッパや日本、カナダなどではコロナ禍の影響で一時的な落ち込みが見られた一方、中国やインド、オーストラリアは成長を維持しました。

またアジアに目を向けると、インド、中国、オーストラリアが上位を占め、日本はそれに続く位置にあります。一方、日本市場が減少傾向にあるのに対し、インド市場が大きく拡大。タイやインドネシア、香港もわずかながら市場拡大の傾向が見られます。
海外で行われる調査とは?
海外マーケティングリサーチでは、企業の製品やサービスを対象に、さまざまな調査が実施されています。以下は弊社が過去に実施した事例です。
●東南アジア6か国でのブランド認知度調査
シンガポール、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシアを対象に、自社ブランドの認知度を調査。 ●アメリカ・台湾での旅行意向調査
日本への旅行や観光に関する意識・ニーズを把握するためのアンケート調査。
●韓国でのグループインタビュー
美容機器の利用者を集めたグループインタビューを実施し、商品やサービスに対する意見や価値観を調査。
●アメリカでのオンライン・デプスインタビュー
在宅介護の利用者を対象に、一人ひとりに60分間深く話を聞くインタビュー調査を実施。
またこれら以外にも、ホームユーステスト(新商品や改良サンプルなどを自宅で試用・試食・試飲してもらい、アンケートで評価を収集する調査手法) など、日本国内で一般的に行われている調査手法を、現地の文化や生活環境に合わせてローカライズしながら海外でも実施しています。
海外市場を理解するために大切なこと
海外調査では、日本国内と同じ手法をそのまま適用できるとは限りません。調査票やインタビューの設計はもちろん、国や地域によっては複数言語への対応が必要となるケースもあります。
例えば定量調査では、アンケートの設問数が多すぎると回答者の負担が大きくなり、十分に考えずに回答するケースが増える傾向があります。そのため、国内調査時よりも設問数を絞り、回答の品質を維持できるよう調査を設計することが重要です。
一方、定性調査では、日本人向けのように遠回しな聞き方ではなく、質問の意図が伝わるようストレートな表現を用いてインタビューを進めることが求められます。文化やコミュニケーションスタイルの違いを踏まえた質問設計が、より質の高い回答を引き出すポイントとなります。
※国内向けと海外向けの調査設計の違いについての詳細はこちらのコラムをご覧ください。
またホームユーステストでは、発売前の試作品やテスト品を扱うケースも多いため、日本以上に情報管理や製品管理を慎重に行う必要があります。さらに回答の回収フローは国ごとに異なるため、事前に現地での流れを十分に確認した上で調査を実施しています。
海外調査は時差や翻訳、多言語対応、現地パートナーとの連携が必要になるため、国内調査よりも調査期間が長くなる傾向があります。さらに国によっては政治的リスクが調査に影響を与えるため、それらを考慮した設計が求められます。例えば、紛争や戦争の影響を受けている国・地域で調査のご相談をいただいた際には、安全面や調査実施の可否を慎重に確認・検討させていただくことが必要となります。

海外市場への進出を成功させるためには、市場規模や競合状況を把握するだけでなく、その国々で暮らす人々の価値観や生活背景を理解することが欠かせません。各国の文化や習慣を尊重しながら、現地に適した調査設計を行う。その積み重ねが、海外市場におけるより確かな意思決定と、長期的なビジネス成長につながっていきます。
関連リンク
株式会社アスマーク:asmarq.co.jp/
