【共催イベントレポート】英語力ゼロでも世界へ飛び込める?~海外インターン経験者が語る”勉強”と”実践”の違い~
報告:My Eyes Tokyo
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2026年春、海外インターンシップ経験者をゲストに迎え「英会話力と海外挑戦」をテーマにしたオンラインイベントが開催されました。
※主催:インターナショナル・インターンシップ・プログラムス/共催:My Eyes Tokyo
今回お話しいただいたのは、国産素材のみを使ったブレンドハーブティーブランド”hidamari tea TOKYO”を運営する姉妹、豊泉恵理子さんと大内奈穂子さんです。

(左)大内奈穂子さん (右)豊泉恵理子さん
※提供:大内奈穂子さん
豊泉さんは社会人としての経験を積まれた後、海外研修団体”インターナショナル・インターンシップ・プログラムス(IIP)のスクールインターンプログラムを通じてカナダ・アルバータ州の幼稚園~中学一貫校で9ヶ月間インターン。帰国後に再びカナダに渡り、同国ブリティッシュコロンビア州内のファーストフードチェーンでワーキングホリデーを経験し、就職しました。今もカナダご在住です。
一方で大内さんは、学生時代に同プログラムを通じてアメリカ・バーモント州の幼稚園~高校一貫校で9ヶ月間インターン。その後帰国し、飲食店での就職や料理教室運営を経て”hidamari tea TOKYO”を立ち上げました。豊泉さんはカナダから運営をサポートしています。
お二人ともインターンの経験がその後の人生に大きな影響を与えたと言います。このイベントでは「どの程度の英語力で海外に行ったのか」「現地で困ったこと」「英語力はどのように伸びたのか」などについて、実体験を交えながら語っていただきました。
英検5級でカナダへ
豊泉さんがカナダへ渡った当時の英語力は、ご本人曰く「ほぼゼロ」。学生時代から英語は苦手科目で、渡航前に取得していた英語関連資格はただひとつ”英検5級”だったそう。それでもカナダ・アルバータ州の小さな町にある学校で9か月間のインターンシップに挑戦しました。

豊泉さんのご滞在先の風景
※提供:豊泉恵理子さん
渡航後は英語が一言も話せず、電子辞書が手放せない毎日。それを使って自分が相手に何かを伝えたり、相手が言ったことの意味を調べたりしていました。相手の言葉が聞き取れないときはスペルを教えてもらい、一つひとつ調べながら理解していったそうです。当時ホームステイしていた家のホストファミリーも、豊泉さんに根気強く向き合いました。
しかし本人は「現地で困ることは想定内だった」と振り返ります。
「日本でできないことを経験しに行こうと思ってカナダに行ったので、日本と環境が全く違うことをプラスに捉え、不便さも含めて楽しんでいました」
”600点”でも壁にぶつかる
一方の大内さんは英語が比較的得意で、渡米前のTOEICは約600点。高校時代にホームステイなどを経験した後、IIPのプログラムを通じて渡米。豊泉さんと同じく電子辞書を使い、当時持っていた英語力と合わせてコミュニケーションをしていました。実際に長期間生活してみると”学校で学んだ英語”と”生活の中で使われる英語”の違いに戸惑ったといいます。
特に印象に残っているのは、銀行口座開設のために電話でオペレーターと話さなければならなかったときのこと。対面であれば身振り手振りや表情もありますが、電話では音声だけが頼り。最終的にはホストファミリーのお父さんに助けてもらいながら手続きを進めたそうです。
聞き取れるようになるまで
このように言語と格闘したお2人は、最初の関門である”リスニング”をどのように潜り抜けたのでしょうか。
豊泉さんは、正確な時期は覚えていないものの、英語は少しずつ理解できるようになったと振り返ります。最初は英語を一度聞いても理解できず、頭の中で整理するプロセスが必要でしたが、徐々にその時間が短くなり、自然に理解できるようになっていました。
一方で大内さんは、インターンシップを終えて帰国した後、リスニング力が大きく向上したことを実感したといいます。その成果はTOEICにも表れ、スコアは約600点台から790点まで上昇しました。約200点にも及ぶ上昇分のほとんどが、リスニングセクションによるものだったそうです。
”練習”だけでは伸びない
イベントの中で特に印象的だったのが”勉強と実践の違い”に関するエピソードです。
豊泉さんは「研修先の小学校で、先生と子どもたちの会話を聞くことが英語習得につながった」といいます。
大内さんは「長期間現地で生活することで、会話のスピードに慣れ、ネイティブが日常的に使う言い回しや表現を自然に覚えていったことも、リスニング力や理解力が向上した要因だろう」と分析しました。”生活そのものが英語習得につながった”ことを実感したそうです。
ここで、大内さんがアメリカで体験した事例を紹介しました。

大内さんは、アメリカ滞在中に国際電話カードが使えなかった際、店員さんに
I can not use this card.
と伝えていました。
文法的には間違っていません。しかし実際には店員さんになかなか理解されなかったそうです。
後になって、
This card doesn’t work.
と言えば、単にカードが使えないのではなく”カードそのものに問題があって使えない”ことが伝わり、より理解されやすかっただろうと気づきました。
豊泉さんもまた、
「周りの人が使っている表現を真似したら相手に通じた。その成功体験をひたすら積み重ねた」
と語っていました。
英語力以上に得られたもの
大内さんはインターンを通じてリスニング力を伸ばし、それは帰国後に受験したTOEICのスコアに反映されました。一方でスコアに反映されにくい”英語での表現力”も獲得。現地で話される自然な英語を身につけました。
帰国後ワーキングホリデーで再びカナダへ渡航した豊泉さんは、永住権申請時に受験したIELTSでは平均6.5を取得。これはTOEICで820〜900点、英検では準1級から1級のレベルに相当するレベルで、かつての英検5級から飛躍的な成長を遂げたのです。
しかし、お二人が口をそろえて語った、インターンでの最大の収穫は、語学力そのものではありませんでした。
豊泉さんは、
「海外に出ることへのハードルが下がった」
と話します。9か月間のインターンを通じて「今なら海外で仕事にも一人暮らしにも挑戦できるかもしれない」というほのかな自信が生まれ、現在に至るカナダでの生活につながったそうです。
大内さんは、
「日本での勉強が部活動の日々の練習だとしたら、海外生活は試合だった」
と表現しました。学んだ知識を実際に使う場があるからこそ、自分の弱点に気づき、工夫し、成長できる。さらに、間違いを恐れずに挑戦する姿勢も身についたといいます。
勉強と実践は”車の両輪”
豊泉さんは、自身の経験を振り返りながら言いました。
「現地で実践すれば自然と身につく部分はありますが、それでも”もっと勉強しておけばよかった”と思う場面は何度もありました。だから、今勉強している人はぜひ続けてほしいです」
ただし「TOEICで何点あれば海外でも安心」という明確な基準はないとも話します。点数が低くても海外へ行くことは十分可能だし、どんなに英語力を日本で磨いても海外では困ることが必ずある。それを失敗ではなく「日本とは違う文化なんだ」と前向きに受け止めることが大切だと語りました。
一方、大内さんは「不安を抱えたまま渡航しましたが、現地では誰かが助けてくれたり”思ったより何とかなる”と感じる場面が数多くありました」と語ります。苦労した経験さえも、後から振り返れば「面白い経験だった」と思え、実際に行ってみなければ分からないことが本当にたくさんあると語りました。
特に難しいのは、海外へ行くかどうかを決める”最初の一歩”を踏み出すこと。「その勇気は特別に与えられる能力ではなく、出すか出さないかの違いだけ」だと言います。実際に現地へ行ってしまえば「もう来たのだから頑張ろう」という前向きな気持ちに自然と切り替わり、思っていた以上に充実した日々を送ることができたそうです。
さらに、海外生活を経験すると、帰国後も物事を広い視野で見られるようになる。「日本では当たり前」と思っていたことが、世界ではそうではないことに気づき、日本での生活も以前より気楽に考えられるようになったと振り返りました。

hidamari tea TOKYOブランドの茶葉を一緒に販売する豊泉さんと大内さん
※提供:豊泉恵理子さん
「海外に少しでも興味があるなら、ぜひ勇気を出して挑戦してほしい。きっと多くの収穫があるはずです」
英語学習による土台づくりと、実際に海外へ飛び込んで得られる経験。その両方があってこそ、本当の成長につながる – そんな気づきで、このセッションは締めくくられました。
関連リンク
hidamari tea TOKYO:shop.hidamaritea.tokyo/
豊泉恵理子さんインタビュー@MET:こちら
大内奈穂子さんインタビュー@MET:こちら
インターナショナル・インターンシップ・プログラムス:internship.or.jp/
