My Eyes 米大統領選2016 ㉒ トランプ色の8月

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コラムニスト/翻訳家  

 

秋になりました。予備選挙や党大会が終わり、大統領選候補者がやることはたった一つになりました。それは大統領選の本選です。そのことを考慮してか、共和党指名候補者のドナルド・トランプ氏は各メディアにニュースを提供しました。
(先日9月11日のアメリカ同時多発テロ追悼式典でヒラリー・クリントン氏が倒れた時は、クリントン氏がメディアを賑わしましたが・・・そのニュースについては、この次のコラムにてお伝えします)

トランプ氏は8月初め、このように言いました。「11月8日の本選では、バーニー・サンダース氏と私を阻止すべく不正が行われるだろう」。この一言はメディアの関心を集め、大統領や報道陣からは失笑が漏れました。しかし一方でこの発言をきっかけに、メディアの多くの人々が、選挙で使用されている票の計数機が本当に正しく作動しているのか、ハッキングされる危険性があるのではないかと指摘しました。

気が重くなる話ですが、全米各地でアフリカ系アメリカ人が警察官に射殺される事件が相次ぎ、8月13日には中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで、23歳のアフリカ系男性が警察官に射殺される事件が起こりました。それを受けてミルウォーキーで暴動が発生、その直後にトランプ氏は同市でスピーチを行いました。彼はアフリカ系住民に対し「事件の影響を受けた人々のためにも、法と秩序をもう一度我らの手に戻す必要がある」と言いました。そして 「民主党はアフリカ系アメリカ人たちを見捨て、裏切った」と続けました。[1]

アフリカ系市民の多くを混乱に陥れた悲しい出来事は、もうひとつありました。ルイジアナ州で起きた洪水です。7.1兆ガロンに相当する水量がルイジアナ州全土の3分の1に及ぶ地域に流れ込み、推定で14万6000戸が被害を受けました。洪水の規模から、当然行政が動き出すものと思われましたが、トランプ氏の名誉のために言えば、トランプ氏が被災地に降り立ち食料品や救援物資を届けた最初の政治家であり、唯一の大統領候補者でした [2][3]。彼は 「ゴルフコースを出て国民を助けに来るべきだった」と、大統領就任以来300回目のゴルフを楽しんでいたオバマ大統領を強く非難しました。

8月末、トランプ氏はメキシコを訪問し、ペーニャ・ニエト大統領と会談しました。ニエト氏はメキシコ大統領である一方で無党派を自称し、クリントン氏にも招待状を送りました。しかし今もクリントン氏のメキシコ訪問は実現していません。トランプ氏はとりわけ中国とメキシコに対し、両国の対米外交政策を非難しました。会談後の記者会見でトランプ氏は「メキシコやメキシコ国民に敬意を表している」と述べた上で、アメリカとメキシコの国境に壁を設けることを検討しつつも、建設費をメキシコ政府が負担するべきという主張は控えました。

 

[1] qz.com/760430/trumps-plan-is-to-tell-black-voters-he-knows-whats-good-for-them/

[2] en.wikipedia.org/wiki/2016_Louisiana_floods

[3] www.theguardian.com/us-news/2016/aug/19/donald-trump-louisiana-floods-supplies

 

ダニエル・ペンソ

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米オレゴン州在住の日英翻訳家。1999年〜2009年の約10年間住んでいた東京を”第2の故郷”と呼ぶ。趣味は旅行、語学、。日本への旅行時には落語を楽しむ。
*ダニエル氏の詳細は以下のページをご覧下さい。 
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*日本語訳:徳橋 功  

*ダニエル氏の意見は、My Eyes Tokyoとは関係ありません。

 

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