馬思琦さん(中国)

インタビュー&構成:徳橋功
ご意見・ご感想は info@myeyestokyo.com までお願いします。

 

Siqi Ma
ビジネスパーソン/大学院生

 

 

が輝ける人生を送れるよう支援したいです。

 

 

これまで私たちMy Eyes Tokyoは“自分の名前で活動している”国内外出身の方々をインタビューしてきました。そしてこのたび新たな試みとして“これから自分の名前で勝負する人々”のインタビューシリーズを開始します。題して「」です。

MET Executives第1弾は、出身の才色兼備ビジネスパーソン、馬思琦(マ・シキ)さんのストーリー。様々な人たちに出会ってきた私たちですが、シキさんが歩まれてきた人生の紆余曲折ぶりは、他の誰よりも際立っているように感じました。

*インタビュー@六本木
*撮影:M. Iwakubo

 

“挫折”と“安定”の果て

に来てから約3年半が経ちました。私は現在、投資用不動産会社で広報およびウェブ戦略担当として仕事をするかたわら、大学院の博士課程で経営情報学を専攻しています。

出身は中国部のハルビン(哈爾濱)です。子どもの頃から女優や歌手を目指し、芸術系の高校に進み音楽を専攻。その後、小さい頃から好きだった動物に接する仕事に就きたいと思い、吉林省の大学で4年間獣医学を、ハルビンの専門学校で3年間トリミングを学びました。しかし卒業後に就職した北京のペット向け美容院で、勤務3か月目にしてアレルギー症状が表れてしまったのです。あらゆる動物の皮膚病や、あらゆる種類のペット用シャンプーに触れたことが原因でした。在学中の実習時は勤務時間が短いためにアレルギーは表れず、そのため自分がアレルギー体質であるということを知らなかったのです。

独立・開業を目指して獣医学などを学んだにもかかわらず、その夢が閉ざされた私でしたが、縁あって地元ハルビンの公共事業機関に入りました。安定した仕事でしたが、チャレンジする機会はほぼゼロ。「自分の人生は、この先もずっと変わらないのではないか」という不安に駆られました。そんな折に母が体調を崩したため、私がにいてあげたいと思い、日本に行くことを決めました。

 

全ては“日本語能力ゼロ”から始まった

母は約20年前から日本に住んでいます。出張で訪れた東京を気に入り、日本の大学にしました。それ以来日本に住んでいる母は、ずっと私に日本に来てほしいと思っていました。母が一時帰国するたび、私に日本のことを話してくれたものです。でも私はハルビンから離れたくなかったし、地元でもっと頑張りたいと思っていたくらいです。

日本に来た時は「すみません」以外に日本語が全く話せなかった私は、日本語学校に入学し1年3か月間勉強しました。アルバイトをしながら1日16時間勉強したこともあります。その甲斐あって、通常は1年半かけて卒業する日本語学校を1年3か月で修了し、MBA取得を目指して夜間大学院に入学しました。

その後私は日本式の就職活動にもがきながら、138社(笑)受験の末、8社から内定を獲得。でも一番入社したい会社は決まっていました。その会社からは昨年3月に内定をいただいていましたが、私のMBAの修士課程が残っていたり、での半年間の語学留学が重なっていたりと、すぐには入社できない状況に。それにもかかわらず会社は私を待ってくださり、内定から1年経った今年(2018年)3月にようやく入社。現在は投資用不動産会社に勤務しながら、博士課程での研究を続けています。

 

ここがちょっと違うよ ニッポンの女性たち

私は将来、したいと思っています。目標は10年後です。場所はまだ決まっていませんが、いつか私は、女性が輝ける人生を送れるよう支援したいと考えています。

日本人女性たちにとって普通かもしれないことが、中国人の私から見ると全然普通ではありません。例えば日本の女性は、男性と結婚したら、その人のために料理することが当たり前だと考えると思います。もし女性が「私、料理が苦手なんです」と言おうものなら、男性から「それじゃ結婚できないよ」とまで言われてしまうかも・・・でも中国では「男性でも女性でも、時間がある方が料理すれば良い」という考え方が一般的です。さらに日本では、たとえ男性と女性が同時にキャリアをスタートさせ、同じ仕事をしていても、やがて男性の方が高い給与を得るようになります。また、女性が子育てを終えた後の職場復帰にもハードルが存在します。

今考えている博士論文のテーマは「女性が自分らしく生きるために」。誰か他のために生きるのではなく、自分のために生きる – そんな女性たちが増えることに、私は貢献したいと考えています。

 

シキさんにとって、東京って何ですか?

夢を持つ人たちが集まっている街です。

東京は、何でもスピードが速いです。歩くのも、べるのも・・・しかも皆、睡眠時間を削りながら仕事をしています。そんな彼らの力の源は、夢。夢が無いと頑張れないですよね。

私の夢は「悔いの無い人生を送ること」。今までの人生、私には悔いは一切ありません。たとえ自分が望まない結果が出たとしても、それが一生懸命取り組んだ末のことであれば納得できるし、「私はこれまでずっとベストの選択肢を選んできたのだ」と思えます。

そしてこれからも、日々一生懸命生きていけば、きっと完璧な人生を送ることができると信じています。

 

シキさん関連リンク

チャイナフェスティバル(2018年9月8~9日@代々木公園):www.chinafes.net
※シキさんも事務局スタッフとして参加します!

 

My Eyes Tokyo

Interviews with international people featured on our radio show on ChuoFM 84.0 & website. Useful information for everyday life in Tokyo. 外国人にとって役立つ情報の提供&外国人とのインタビュー

コメントを残す