My Eyes 米大統領選2016 ㉕ 主要メディア vs ウィキリークス


コラムニスト/翻訳家  

 

これまで大統領選での討論会は3回ありました。うち2つはご存知、ヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏、そしてもう1つは各党の副大統領候補であるティム・ケイン氏(民主党)とマイク・ペンス氏(共和党)の対決です。さらに討論会はアメリカ時間10月19日に行われる予定です。直近では10月9日に行われたものが記憶に新しいですね。

トランプ氏は今、激しい非難にさらされています。テレビおよびラジオ司会者のビリー・ブッシュ氏との間で2005年に交わされた会話の録音テープが公開され、その中でトランプ氏が女性器をわしづかみにするという発言をしていたのです。 (ちなみにビリー氏は前大統領のジョージ・W・ブッシュ氏のいとこにあたります。これは偶然なのか何なのか・・・)

そのテープは偶然流出し、ABC、NBC、CBSの3大ネットワークが放送しました。流出したのは10月6日で、これらのネットワークなど主要メディアは、2回目のテレビ討論会が行われた10月9日まで、この話題を四六時中伝えました。予想通り、第2回討論会は、司会を務めたCNNのキャスターからの、テープやトランプ氏の気質に関する質問で始まりました。討論を先へ進めようとするトランプ氏に対し、無党派である司会者は頑として他の話題に移ろうとしませんでした。

焦りを感じてテープの内容について謝罪し、ロッカールームでの会話だとして片付けたトランプ氏は、討論会の直前の記者会見に、ヒラリー・クリントン氏の夫で元大統領のビル・クリントン氏に暴行されたと主張する女性4人と共に臨みました。トランプ氏は、クリントン氏の夫が女性嫌いの行動を取った過去があること、さらにはクリントン氏がこれらの女性に対し嫌がらせや脅しを行い、婦女暴行事件に対し何の解決策も打たなかったことを指摘しました。

そのようなことがあったためか、第2回目の討論会はプロレスの試合のような様相を呈していました。

今回の大統領選において興味深いのは、メディア間の闘いです。主要メディアはこれまで民主党候補を支持し、共和党候補者を悩ませる傾向がありました。その例が、メディアの中にいる人々や左派の、ジョン・F・ケネディに対する称賛ぶりです。ケネディはビル・クリントンと同様の女たらしという一面がありました。一方で彼らはリチャード・ニクソンのような、民主党へのスパイ活動を行い、またドル紙幣と金の兌換一時停止を敢行して混乱を起こした人への非難の手を緩めませんでした。しかしニクソンは、ベトナム戦争を終結に導いた人物です。そしてそのベトナム戦争は、民主党から選出されたリンドン・ジョンソン大統領により始まりました。ジョンソンも左派には人気があります。

主要メディアはロナルド・レーガンの選挙期間中、徹底的に非難の集中砲火を浴びせました。同じようなことがジョージ・W・ブッシュ氏ジョン・マケイン氏ミット・ロムニー氏の身にも起きました。そして今、トランプ氏がメディアに与えられた格好のサンドバッグとも言えます。しかしトランプ氏も、ブライトバートやダッジ・レポート、インフォウォーズといった新興メディアを味方につけています。

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そして・・・ウィキリークスもそのひとつであると言われています。ジュリアン・アサンジ氏率いるウィキリークスは、必ずしも右派であるとは限りません。アサンジ氏はジョージ・W・ブッシュ氏に対して強く非難していたし、政治的にはかなりリベラル寄り(つまり左派)です。しかし彼はクリントン氏の1000通以上のメールを公開し、それでもまだ全てでは無いと言っています。ウィキリークスはイラクやアフガニスタンでの戦争を非難したことで賞賛を受けましたが、今はクリントン氏の“失われた”または“消された”メールを公開しています。クリントン氏はアサンジ氏のことを「ロシアの工作員」と呼びました [1]。

 

[1] www.express.co.uk/news/world/720474/Hillary-Clinton-campaign-Julian-Assange-Wikileaks-Russian-propaganda-election-emails

 

ダニエル・ペンソ

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米オレゴン州在住の日英翻訳家。1999年〜2009年の約10年間住んでいた東京を”第2の故郷”と呼ぶ。趣味は旅行、語学、食。日本への旅行時には落語を楽しむ。
*ダニエル氏の詳細は以下のページをご覧下さい。 
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*日本語訳:徳橋 功  

*ダニエル氏の意見は、My Eyes Tokyoとは関係ありません。

 

My Eyes Tokyo

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