降旗カミラさん(コロンビア)

インタビュー&構成:徳橋功・多田友美
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Camila Furuhata
コロンビア料理@世田谷区代田橋
(’96年より日本在住)

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Niki’sのおかげで家族同士の 距離がうんと縮まりました。

 

外国人のご自宅で各国の家庭料理が学べるNiki’s Kitchenと、東京や日本で活躍する外国人とのインタビューを集めたサイト”My Eyes Tokyo“のコラボコーナー「MET×Niki’s Kitchen」、早くも7人目の先生のご紹介です。

コロンビア出身の降旗カミラさん。生徒さんを優しく包み込むような笑顔がたまらなく素敵な女性です。私たち自身もすごく癒されて、冗談で「家に帰らずにこのままここにいたい!」と言ったら他の生徒さんたちから大ブーイング(笑)。でも優しいカミラさんはひたすら笑顔で「夜ご飯はコーヒーとパンだけよ」とジョークで返す。とってもかわいらしい方なんです。 この日初めてNiki’sで習ったという生徒さんは「本当にアットホームな雰囲気で、友達のお母さんに教えてもらっている感じ」とおっしゃっていましたが、それはそのまま、カミラさんのクラスを言い表しています。

*インタビュー@代田橋世田谷区
*翻訳:多田友美
*Niki’s Kitchen ホームページ:こちらから
*英語版はこちらから!

 

ベテラン料理講師

私は4年前からNiki’s kitchenで料理を教えています。Niki’sの中では比較的長い方でしょうか。Niki’s kitchenのクラスではコロンビアの料理や文化を生徒さんに教えてあげられるのがいいですね。しかも生徒さんはみんなとってもいい人ばかり。教室以外でも交流がある人もいて、たまに家に遊びに来てくれることもあるんです。

Niki’sで教える前は3年ほど東京・町田の公民館で料理を教えていました。そこでは料理を通してスペイン語を教えるというのがコンセプトでした。だからクラスは全部スペイン語。私は日本語が得意でないので、とっても楽でした(笑)。Niki’sとは全く違うコンセプトで、生徒さんはスペイン語を習いに来ていましたけど、なかなか面白かったですよ。

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大使館おすすめシェフ

2007年にコロンビア大使館からNiki’s Kitchenを紹介されました。主宰のNikiさん(棚瀬尚子さん)がコロンビアの先生を探していらっしゃったんです。

私が日本に住み始めたのは15年前ですが、コロンビアの首都ボゴタで日本人の主人と知り合ってからは、たまに日本を訪れていました。その時に大使館のボランティアとして毎年11月に開かれる「ラテンアメリカバザー」を手伝っていて、そこで料理上手として知られていたんです。

Niki’s を紹介された時には「楽しそう!やりたい!」と思いました。町田の公民館のときは場所を借りて、しかも公民館という殺風景なところでしたけど、自宅に来てもらえればコロンビアのことを肌で感じ取ってもらえるんじゃないかと思うんです。それに私はプロじゃないけれど、友達に教える感じで出来るところもいいですね。

 

タマレスはママの味

母は料理が好きで、よくタマレス(トウモロコシ粉を練ったものに味付けし、その上に様々な具を乗せてバナナの葉で包んで蒸したもの)などを作って、毎週友人を家に招いていました。だから知らない人を家に入れることは全然平気。抵抗なんてありませんでした。

それに私は料理が大好き。7歳のころから同じく料理好きの母に見守られながらナイフを握っていました。初めて作ったのは、パウンドケーキ。今でも覚えています。私は5人兄妹の末っ子ですし、母がついていない時でもいつも誰かが見ていてくれたから、危ないとは全然思いませんでしたね。

私は母を見て料理を覚え、レシピとして書きとめました。だけどそれには分量が書いてない(笑)。料理を作る時もすべて目分量です。なぜなら私は「母の味」を舌で覚えていますから。ただし、Niki’sで用意するレシピにはちゃんと分量を書いていますので、安心してください(笑)

クラスで使うレシピにも、私が母から習ったものがたくさん登場します。だからNiki’sで作る料理は「母の味」がいっぱいなんですよ。例えばさっき話に出てきたタマレス。今年の2月に作りましたが、これも「母の味」。

でも実はそのタマレス、日本に来てから初めて作ったんです。なぜ今まで作らなかったものを突然作ったかって・・・Nikiさんに頼まれたから(笑)これは作るのが結構大変なんです。タマレスはとうもろこし粉と挽肉を混ぜ、チリや香辛料などで味付けをし、バナナの葉で包んで蒸したもの。このバナナの葉は、日本では簡単には手に入りません。準備に時間がかかるから「来週作って下さい」と言われても、難しいんです。

*今年2月のタマレス教室の様子はこちらでご覧下さい。

 

レシピ作りは家族全員で

ちなみに今日のメニューはNikiさんと一緒に決めました。残念ながら「母の味」は出てきていないんですけど、例えば牛のもも肉はボゴタでよく食べられる人気の食材だし、今日お教えしたお料理はどれもおいしくて、サッと作れるからおススメですよ。

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牛もも肉のピーマンロール、シャンピニオンソース。コロンビアの家庭で一番食べるのが牛肉の料理だそうです。
撮影:多田友美

レシピを決める時は、日本人の口に合うものかどうかをまず考えますね。今日はココナッツご飯をご紹介しましたけど、これって日本人にはなじみがないでしょう?それに、日本人にとって大切な白いご飯にココナッツを入れて良いものか・・・悩みました。

そういう時は、主人や娘に相談します。ご飯にココナッツと聞くと異様な感じがするかもしれませんが、実際はそこまで突拍子もない味ではないし、日本人にも受け入れてもらえるだろう・・・そう判断しました。こんな感じで、家族と一緒に日本人にも親しみやすい料理を選ぶようにしています。

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ココナッツご飯、料理中。

また、私のレシピはスペイン語なので、主人に日本語訳を頼んでいます。主人の仕事が忙しい時には娘が代わりにやってくれています。主人も料理が大好きで、私が作ったレシピを様々に工夫したり改良したりするんです。例えば私は玉ねぎ1個だけにしようと思っていたんだけど、主人が「2個の方が良い」と言ったり、「レシピにニンニクが入っていないから、入れてみよう」と言ったり・・・訳している段階でレシピにアレンジできそうな点があれば、私にどんどんアドバイスしてくれます。いつも家族が協力してくれていますね(笑)

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家族全員で作ったレシピ!
撮影:多田友美

 

笑顔の裏側

正直言って、日本に来るなんて想像もしていませんでした。コロンビアにいる時は、特に日本に興味があったわけではありませんでした。先ほど申し上げましたが、日本人の主人とはコロンビアで出会いました。でも日本人だとか何人だとか、そんなのは関係ありませんでした。ただ彼のことが大好きでしたから。スペイン語で言えば”Muy enamorado”とか”Mucho amor”ですね(笑)

でも日本に来るとなると話は別。もちろん不安はありました。日本語は分からなかったし、主人は平日は仕事でしたし。 23年前、時々日本に来ていた頃は大変でした。娘が生まれてからは少し楽になったけど、主人の仕事の関係でブラジルやタイに行き、15年前に日本に戻って本格的に住み始めた時、再び落ち込みました。3〜4年ほど精神的に不安定な時期が続きました。「何でこんなところに来ちゃったんだろう」と思ったし、ホームシックにもなりました。カルチャーショックもたくさん経験しました。言葉の壁があってなかなか外に出ていく事が難しかったり・・・。

一方で、コロンビア大使館とは初めて日本に来た23年前から関係があり、スタッフさんとは言葉も通じました。でも彼らは数年で入れ替わってしまうから、なかなか深い関係を築けなかったんです。

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この日作った料理&デザートの数々!左上の「青りんごとブルーチーズのスープ」のように、スペインのレシピもあり、ラテン色豊かです。
*各料理の詳しい解説はこちらにて。

 

一筋の光

でも頑張りました。大使館でのボランティア活動などにも積極的に関わったりして自分を忙しくさせました。そうして少しずつ安定してきました。

その上、ボランティア活動のおかげでNiki’s Kitchenに出会え、自分の国のことをたくさんの生徒さんに伝えることができるようになったんです。それが本当に嬉しい。しかもレシピの準備作業を通じて、昔からお互い近かった私たち家族が、さらに密接度を増した気がします。「これからもNiki’s Kitchenを続けたいか」ですって?もちろん!
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カミラさんにとって、Niki’s Kitchenって何ですか?

自分自身のこと、自分の国のこと、そして自分の国の食文化を みんなに知ってもらう場所です。

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カミラさん行くところ、人が集まります!何とかつてMy Eyes Tokyoで インタビューした人たちが1カ所に集結したのです!
(左端:ルイス・カルロス・セベリッチさん 右端:エクトル・シエラさん

コロンビア独立記念祭 @ コロンビア独立記念祭@日比谷公園(2011年7月17日)

 

カミラさん関連リンク

Niki’s Kitchen カミラさんの紹介ページ:Click!
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