マイク・キャドマンさん(カナダ)

インタビュー&構成:徳橋功
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Mike Cadman
教育家(2004年に来日)

 

 

日本語と英語の違いを理解することが、英語学習の最良の道です。

 

 

 

 

最近は口を開けば「」「English」とうるさいMy Eyes Tokyoですが(笑)今回の「日出ずる国への伝言」は、一人の英語教育家から私たちへの、英語の効果的な学習法の提言です。

一言で言えば「日本人が英語でよくやるミス」を徹底的に学ぶこと。間違いを学ぶ – どこかで聞いた言葉ではないですか?そうです、超初心者レベルの全く話せないところから英語学習を始めて約1年と少しで留学経験者に負けないほどの英語力を身につけた”英語キュレーター”のセレンさんも、この「間違いを学ぶ」ことの重要性を説いています。

今回ご紹介するカナダ出身のマイク・キャドマンさんは、そんなセレンさんとタッグを組んでワークショップを開いています。「ネイティブからナチュラルな英語を、そして学習の方法やメソッドは日本人から」をモットーとしたこのワークショップは、1回につき約4時間とかなりの長丁場ですが、英語初心者から上級者まで受講、大変好評を博しています。

今回はセレンさんのご紹介により実現したこのインタビュー、キーワードは”ジャングリッシュ”です。さあ皆さん、この言葉を脳裏に焼き付けてからインタビューをお読みくださいね!

*インタビュー@渋谷
*英語版はこちらから!

 

「コングリッシュ」と「ジャングリッシュ」

韓国人と日本人は、英語で似たようなミスをします。韓国で話されている英語は「コングリッシュ」(Konglish)、日本で話されている英語は「ジャングリッシュ」(Janglish)と呼ばれていますが、私が韓国で英語を教えていた時、彼らが同じような間違いを何度もすることに気づきました。なので、彼らのよくやる英語上のミスをまとめ、彼らが自然な英語を学習しやすくするためのワークシートを作りました。

そして日本に来た後、日本人は韓国人のするミスの8割から9割、つまり韓国人とほとんど同じミスをすることに気づきました。それは恐らく韓国語が日本語に似ていることが原因だと思います。だから私は「コングリッシュ」をまとめたテキストを「ジャングリッシュ」にも適用できたのです。

私が作った”ジャングリッシュ”教則本「Mike’s Janglish and Common Mistakes」は、いくつものカテゴリーに分けてまとめられています。「友達とのおしゃべり」「仕事」「自由時間」「娯楽」など、様々なシチュエーションでの表現を盛り込んでいます。お好きなカテゴリーを選んで学習できますので、1ページ目から始める必要はありません。

 

日本語と英語の違いを学ぶことが大事

日本人はいわゆる「ジャングリッシュ」的なミスをよくします。それはなぜかと言うと、日本語から英語に訳そうとするからです。全てとは言わないまでも、ミスの原因の一つだと思います。日本語では極めて自然な言葉でも、それをそのまま英語に訳すと響きが変だったり、意味を全く成さなくなることがよくあります。また彼らの考え方にある癖や、英語の言葉の意味を誤解したまま覚えていたりすることからも、同様のミスが生まれます。私のテキストでは、日本人がよくやる以下のようなミスを網羅しています。例えば・・・

☆My co-worker is a claimer. → (正)complainer
☆I watched the paintings in the art museum. →(正)saw
☆I’m boring. →(正)bored
☆I didn’t decide yet. →(正)haven’t
☆Q. What is your hobby? A. My hobby is reading books.
*「Hobby」は、他の人があまりやらないような活動に対して用いられる言葉であり、”趣味”とは意味が異なる。

日本人が英語でよくやるミスをまとめ、自然な英語表現を併記した「Mike’s Janglish and Common Mistakes」 *ご購入はこちらから 

このようなミスを日本人がするのは、極めて自然なことですが、もしきちんと英語を覚えたいのなら、訂正を施すことが大事です。私のチェックは厳しいですよ。もちろん普段は優しいですけどね(笑)でも私は自分の哲学として「自分が教わりたいと思うような教え方をする」と決めています。これまでにも韓国語などを学び、今は日本語を勉強しています。だから私は学習者として自分が何を学びたいか分かっているし、それを私の生徒に教えたいと思っています。それに、私自身もミスを容赦なく訂正してくれた方が良いですから。

「ジャングリッシュ」は日本人の中にインストールされたオリジナルのコンピュータープログラムと考えれば分かりやすいでしょう。それをどう変えれば自然な英語になるか、それを学べばいとも容易く新しいOSを皆さんの中にインストールできます。なぜなら皆さんはこれまでとは違う発想、つまり日本語で英語を捉えるやり方ではなく、ネイティブスピーカーと同じような思考のプロセスを学ぶことができるからです。

私が日本語を習い始めた後、気がついたんです。なぜ、日本人は先ほど申し上げたようなミスをするのか – 「だから彼らはこういう風に言うんだ!」というのが分かったんです。だからこれの逆で、皆さんがよくするミスを直視すれば、それにより自然な英語がどういうものかを理解するでしょう。日本語と英語の違いを理解することが、英語学習の最良の道だと私は思います。

 

繰り返し読み、頭に焼き付けよ

英語学習で最も重視すべきは、私は文章だと思っています。逆に語彙を増やすことに時間を費やすのは、効果的な学習方法ではありません。もし語彙ばかり勉強していたら、いくら皆さんの頭の中にたくさんの単語が入ったとしても、それらの使い方が分からないままだからです。そのような状態では、日本語で考えて日本語で文章を作り、それをそのまま英語に訳すというプロセスから抜け出せません。だから「ジャングリッシュ」的な文章が生まれてしまうのです。

これは日本人だけでなく韓国人も同じです。彼らも韓国語で考えて韓国語で文章を作ってそのまま英語に訳すから「コングリッシュ」な文章になってしまうのです。

まずは皆さんの頭に焼き付くまで、同じ英語の文章を何度も何度も繰り返して聴きましょう。この学習方法が良いのは、そうするうちに文法も学べ、同時に語彙も増えるところです。もし皆さんが英語初級なら、とっても短い、簡潔な文章から初めてみて下さい。それらを記憶すれば、やがてゆっくりと”英語脳”が構築されていくでしょう。「繰り返す」ことはとても重要です。繰り返すことで英語脳が発達していきます。

もうひとつ私が生徒さんに言っているのは「決して”難しい”という言葉を使わないように」ということです。あることに対して「難しい」と言えば、それは本当に難しいものになります。「英語って難しい」と言えば、本当に英語が難しく感じられてしまうのです。だから「難しい」は禁句です。あと、いくら早く英語をマスターしたいと思っていても、焦りは禁物です。

また日本人の特徴として、英語で話し始める前に完璧な文章を作ろうとしてしまうことが挙げられます。それは止めた方が良いです。次の言葉を言おうとしている時でも、今発している言葉が言い終わるギリギリまで、次の言葉のことは考えないで下さい。例えば「私は公園に行きたい。何故なら友達に会いたいから(”I want to go to the park because I want to see my friend”)」みたいな文章を口頭でゆっくり作ってみるのです。”I-want- to go-to the park-because-I-want-to-see-my friend”みたいに。その間は、日本語のことを考える余裕は無いはずです。何故なら皆さんの脳は英語で次に何を言うかに神経を集中させているからです。そしてこれは、本来皆さんが普段日本語で行っているはずです。それをそのまま英語でも行っていただければと思っています。

ゆっくり、焦らず、リラックスして英語と接することが大事です。英語では「走れるようになるまでは、歩く期間が必要」という言葉がありますから。
そしてもう1点、「我流」は捨てて下さい。自然な英語を注意して読んだり聴いたりし、文章を記憶し、真似をするのです。出来る限り自然な英語を真似すること。くれぐれも「ジャパニーズ・イングリッシュ」の真似はしないように気をつけて下さいね。

 

恥ずかしがらずに話すこと、そして毎日触れること

私はこれまで、ある日本人とワークショップを開いてきました。My Eyes Tokyo日本語版ではもうお馴染みでしょうか、セレンさんという人です。彼は旅行含め海外経験無し、しかも英会話スクールにも行ったことが無いのですが、それにもかかわらず今では素晴らしい英語を話します。

これを可能にした背景は、彼の性格もあるでしょう。彼は引っ込み思案ではないし、私ともコミュニケーションを積極的に取り、分からないことやぶつかっている壁などについても正直に話してくれました。

これが成長の秘訣なんです。分からなくてもとにかくやってみることが大事だし、話してみることが大事です。彼だって小さなミスは何個かありました。でも彼の言わんとしていることは、私にはきちんと伝わってきました。彼が私と相対して話すから、私も彼の英語を訂正し、彼の英語学習の手助けをすることができた。これが、彼が短期間で英語をモノにすることができた理由です。英語を思い切って口にし、出来る限り話してみること – これを私は生徒さんに教えています。

いくら私が英語の先生でも、私と週に1度しか話さないようでは、学習としては不十分です。もちろん皆さんがお忙しいことは十分承知ですが、もし1日15分だけでも英語学習に充てることができたら、たとえ短い時間でも必ず効果を発揮します。人間の脳というのはすぐに覚えたことを忘れてしまうので、毎日刺激を与える必要があります。もちろん皆さんだけでなく、私も同じように日本語は毎日勉強しなくてはなりません。

脳は物事をすぐに忘れていきますから、1から5までのことを覚えなくてはいけない場合は1→2→3→4→5と進めていってはいけません。1を覚えたら1と2を勉強し、それらを覚えたら1、2、3を勉強し・・・という感じで、必ず過去に学んだことを復習しながら前に進んでいく。それが効果的な記憶法です。


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大人数クラスを好む韓国人 少人数クラスを好む日本人

私の来日当時の比較対象は、カナダではなく韓国でした。だから日本に来た時にそれほどカルチャーショックを経験せずに済みました。でも私の生徒さんは、韓国と日本の英語教育の違いについていつも聞いてきます(笑)
韓国には「ハグワン」という塾のようなものがたくさんあります。英語のハグワンに関して言えば、それは日本の英会話スクールとは異なります。私の印象では、韓国の人たちは1クラス12〜15人での大きなグループでのレッスンを好みます。

一方で日本では、個人レッスンか小さいグループでのレッスンが好まれているように思います。だから私が教える時の気の持ちようは、必然的に韓国と日本とで違ってきます。恐らく日本では、大人数制は好まれないでしょう。同じクラスにたくさんの人がいたら、ほとんどの人が息もつけない気持ちになるのではないかと思います。なぜなら日本の生徒さんは、たいてい自分たちの英語に自信が無いからです。

 

ミスを厭わない韓国人 すごく謙虚な日本人

思い切って言えば、韓国人の英語力の方が日本人のそれより若干上のような気がします。でも基本的にはほぼ同レベルと思っていただいて構いません。ただし韓国人にアドバンテージがあるとすれば、彼らは日本人よりやや社交的なところでしょうか。そしてミスをすることをそれほど厭わずに、私とコミュニケーションを取ろうとします。それがちょっと行き過ぎて、私に対して正面からぶつかろうとすることがあります。例えばかなりプライベートな質問をしてくる、とかですね。それは韓国人同士でもそうです。もちろん彼らがお互いをもっと知りたいと思うからなのは十分承知なのですが。

一方で日本人は、そういうことはしないですね。そしてお店などで私が「英語は話せますか?」と聞くと、店員さんがちょっと話せる場合は「いいえ」と答え、英語がとても上手な場合は「少し話せます」と答えます。しかも彼らは私に謝るんです。「下手な英語でごめんなさい」って。素晴らしい英語を話すのに、ですよ。そこで私が「あなたの英語は素晴らしいですよ!」と言っても、彼らは信じてくれないんです。

 

日本人の英語力向上に余生を賭す

私は韓国の複数の英語学校で6年間講師を務めてきました。そして日本に来て今年で9年ですから、合計で15年英語を教えてきたことになります。それだけ長くアジアにいるので、アジアでの生活にはだいたい慣れましたね。そして今でも英語を教えることが大好きです。

私はカナダの大学を卒業した後、サンフランシスコで1ヶ月の集中コースを受講しました。ケンブリッジ大学やRSA(Royal Society of Arts 英国王立芸術協会)公認の英語指導資格は海外で英語を教える資格としては最高峰で、それを取得するために集中コースを受けました。

私は大学生の頃、海外を旅したり、外国に住むことに憧れていました。世界のことをもっと知りたいと思いました。しかし、どうすればそれが出来るのかが分かりませんでした。

あるパーティーでの夜、韓国から帰って来たばかりの女の子に会いました。彼女は韓国で英語を教えていて、その体験を私に話してくれました。その瞬間、私のやりたいことが分かったのです。それから私は、大学卒業後に英語を教えに海外に行く計画を立てました。 私には、韓国に行った友達がたくさんいました。カナダ人の間では、当時韓国に行くのが人気だったんです。

そして韓国を離れる時、次に考えたのが日本でした。日本は韓国からとても近いし、韓国と同じくカナダ人の間で人気の国でした。韓国の隣の日本という国も知ってみたい・・・そう思ったのも日本行きを決めたひとつの理由でしたね。やはり日本はアジアでは無視できない国。でもその割に日本のことを全然知らなかったんです。韓国しか経験していませんでしたから。

日本での生活は今年で10年目です。日本にいることができて幸せだし、ここで私のキャリアを確立しました。友達も日本にいるし、私の大切な全てのものが日本にあります。だからここを離れることは考えられません。


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私は日本に永住するでしょう。日本は、私が「いるべくしている」場所だと思います。日本では、すごく気持ちが安らぐんです。日本人の英語力の向上に貢献すること、それこそが、私がこれからも取り組んでいきたいことですね。

 

マイクさん関連リンク

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マイクさんコラム「語学学習で絶対に効果を出す3つの黄金ルール①」: http://www.myeyestokyo.jp/50440

 

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