加藤久美子さん Part2

構成:徳橋功
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Kumiko Kato
天才少年の育ての親

私たちMy Eyes Tokyoがリアルに出会った素敵な方々をリアルにご紹介する「」。我が子を”天才少年”に育て上げた加藤久美子さんをゲストにお送りする”肉食系子育て論”。冷静に、だけど愛情と情熱を持って自分の身を賭けて子どもに相対する一人の母の姿が、そこにはありました。

*インタビュー:山崎千佳
*会場:東京都江東区(2014年3月15日)
*協賛:セレナイト(詳しくはこちらをご覧下さい)

 

突き抜けろ、強気で臨め

Part1からの続き)

My Eyes Tokyo(以下”MET”):ヒロ君(加藤博人君)は、友達と話す時も固有名詞を使う?

博人くん:言ってもあんまり分かってくれないんで・・・

MET:天才ゆえの孤独!

加藤久美子さん(以下”久美子さん”):天才というわけでも無いんですけどね・・・
彼が通った私立の小学校は「英語ができてればまぁいいよ」みたいなところでした。だけどいろんな経緯があって地元の公立中学に入ることになりました。そこですごく思ったのが、中学に入るとまんべんなくどの教科もできて、テストの点がいいだけでは駄目だということでした。その上で提出物をきっちり出すとかも、成績を良くするには必要なんだと思いました。英語に関しては、テストは全部満点だけど提出物を出してなかったから、評価は5段階中”4”。公立とはこういうところだなと思いましたね。
もともとヒロが英語を始めたのは4歳前で、プリスクールのお子さんたちは1〜2歳で始めていた子がほとんどだったことや、外国に住んでいたお子さん、ご両親が英語堪能など、英語の環境に恵まれた子に対するコンプレックスはありました。だからうちは””というもので頑張ってみようかと。また幼くして英検に合格したこともあって、周りからいろいろ言われることもあったし、妬みもたくさん受けたので「突き抜けてしまおう!」と思いました。もう手の届かないところに行っちゃえば、誰も何も言えないだろうと。
だから、5歳で英検2級を取ってやろうと決めました。その結果、5歳の1年間で英検4、3、準2、2級を取ることができました。 そして先日、ついに英検1級に合格しました。当時の同級生には帰国子女もいたけど、誰も合格していませんでした。これは私たち親子にとって、とても意味のある合格でした。

MET: ヒロ君に「勉強しなさい」とか「受験しなさい」とは言いましたか?

久美子さん:大切なことは、子供に受けるか受けないかを聞かないことです。実際、私は一度も聞いたことはありませんでした。今まで100以上の検定を受けて、合格したものは80以上ありますが、ヒロには「今度この日にこれとこれの試験があるけれど、どれを受ける?」とは聞いても「これ受ける?受けない?」と聞いたことはありません(笑)強引かもしれませんが、私はヒロのコーチ役なので(笑)

MET:もう一度ヒロくんに聞いてみようかな。そういうお母さんの思いに対して、ヒロ君は「受けたくないのに!」と思ったことは無かった?

博人くん:いや、別に・・・検定を受けることや勉強は苦には思っていないです。

MET:しかも、久美子さんも一緒に受けているんですよね?

久美子さん:そうです。私たちは”検定親子”なので(笑)うちは学習塾とか英会話スクールには行かせないです。もちろんお金がかかるからではあるのですが、親として子供の成長を目の当たりにしたいのです。例えば昨日は理解できなかった単語が今日はできたとか、その瞬間を見たいというか、その瞬間に立ち会いたい。それが親子で検定に取り組む一番の醍醐味ですね。だけど合格させるためには方法を知らなければならないので、私も一緒にやろう、一緒に受けようと思いました。

MET:私も久美子さんメソッドに感化されて試してみて、成功したことがあります。7歳の長女が漢字に興味を示した瞬間があって「お!」と思ったから、彼女に漢検を勧め「ママも一緒に受けるよ」と言いました。長女はそれが嬉しかったらしく、どんどん自分で問題集を進めていって、合格しました。私は不合格だったのですが・・・(汗)今まで塾に任せっぱなしだったことを、親も一緒に取り組むとこんなにも子供のモチベーションを上げるものだと実感しました。

久美子さん:そうなんです。検定といっても、お勉強系の検定だけじゃありません。茶道検定とかご当地検定とかいろんな種類があるんですが、そういうものに”親子で取り組む”のが面白いかと。子供の進化をそばでリアルに感じることができるし、達成感もあるし。検定って「落ちてもいいや」と思って受けると落ちるんですよ。「絶対合格する!」と思って受けると大体合格する。そういうものなんです。
だからヒロが5歳の頃に「英検2級に絶対合格するんだ!」と思って取り組みました。実はその時期に静岡県にある私立小学校の受験と重なって、その年の10月の第1週が小学校の試験、その次の週が英検でした。周りはその小学校の受験対策をすごく一生懸命やっていて、うちももちろん、その小学校は大事だと思いました。でも「やっぱり英検だよな」と思って、みんなが学校の試験勉強をしている中で、私たち2人は英語の勉強をしていたのです。お受験の前日に英検2級の問題集を一生懸命やっていたのですが、その問題集を宿泊していたホテルに忘れてきてしまいました。その問題集はブックオフで100円か200円で買ったものだから、送料の方が高くなってしまうけど、私たちにとっては一生懸命取り組んできたものなので、着払いで送ってもらったのです。そんなこんなで英検一次試験を受けて、ギリギリ合格点すれすれジャストでしたが、史上最年少5歳で合格しました。

MET:周りがお受験の勉強をしていても、流されなかったんですね。

久美子さん:結構強気でした。「5歳で英検2級に合格するような子を落とす小学校には、こちらから行かないわよ」みたいな(笑)
(*この小学校にも合格しています)

 

子を動かすのは親の情熱

MET:今後のヒロ君のコースは、東大→スタンフォード大→プロダクトデザイナーでしたよね?

久美子さん:私はあまり先のことを考えられなくて、せいぜい考えられても三か月先。東大→スタンフォードはテレビで言わされた感があって(笑)でも、ぼんやりとは考えているよね?

博人くん:まぁ、なんとなく。

久美子さん:海外に行きたいという気持ちはあると思うけれど、彼の中にはこだわりがあって、英検1級とTOEIC990点を取るまでは日本から出ない。海外に行ってから1級を取ったら「だって海外に留学しているからじゃん」と言われるのが嫌だから、と。だからあくまで国産で(笑)。

MET: TOEICは990点満点。そこまであと50点ですね。

久美子さん:でもヒロは本当に勉強しないんですよ。明日もTOEICなんですけどね。やらないでここまで来たのなら、勉強すればもっと行けるんじゃないかと思いますけどね。

MET:5歳で一生分勉強してしまったからでは?

久美子さん:確かに5歳の1年間が一番勉強してたかも(笑)あ、でもね、小学校3年生の時の英検準1級はすごい勉強しました。あれは悲願だったので。

MET: 久美子さんも一緒に?

久美子さん:私はヒロより先に合格しました。というのは、彼が何回受けても合格しなくて、どうやったら合格できるかを私が知らないといけないと思ったからです。私は3ヶ月くらい勉強して合格しました。私が持っていてヒロが持っていない能力は何か – それを徹底的に考えて分析し、どういう単語を間違えるかなど私なりに考え、それへの対策を編み出しました。
実はその時「私では教えられないかも」と思って、ある先生にもお願いしたんですね。それで3ヶ月くらい個人レッスンを受けたのですが、3ヶ月経っても長文読解問題の解き方が変わっていませんでした。先生は「ヒロト君は伸びてますよ」とはおっしゃいましたが、これではダメだと思い、結局親子で取り組まなければダメだという結論に達しました。
小学校3年生で英検準1級を取らせようとか、途方もないことをやってるわけですよ。でもそれを合格させようという熱情というか、気持ちはやっぱり親でないと生まれない。その先生は「お母さん、ゆっくりいきましょうよ」とはおっしゃいましたが、どんなに優秀な先生でも他人では合格に導けないと思いました。

 

ここで、お客様よりご質問をいただきました。

 

1. どういう瞬間にヒロ君を天才と思いますか?

久美子さん:うーん、ヒロは天才ではないです。記憶力はどちらかと言うと良いでしょうね。例えば2歳くらいの時に車の試乗会で乗った車のホイールがどうだったとか、細かいところを覚えていましたし、生まれた時からずっと助手席に座らせていたからか、4歳くらいの時から右折する際、対向車が見えないとき「今、右折して大丈夫だよ!」って実にナイスなタイミングで教えてくれるようになりました。遠くから近づく車の速度と距離を分析して、周囲の交通にも注意して判断します。私はまったく見えないわけなので、ヒロの判断を信じて右折します。ヒロは自分の判断が間違っていたら大変なことになると分かっているので、責任を持って実に的確な指示をくれます。絶対に間違いのない信頼関係があってこそです。
他にもヒロが幼稚園くらいの時に、一瞬ハンドルから手を離して、コンビニで買ったおにぎりの包装紙を剥こうとした時に、ヒロが横から手を出してハンドルを押さえてくれました。その時は感動しましたね。
結局、子どもを天才と思って育てれば良いと思います。「親が信じなくて誰が信じるの?」みたいな。でも、盲信や過信はだめですね。親の欲目じゃなくて、客観的で公正なモノサシを元に信じるということです。私たちの場合、その手段が検定試験だったのです。

 

2. 最近”褒めて育てる”というのがもてはやされているが、そう思いますか?

久美子さん:うちは”何でも褒める”ことはしません。逆に、本当にすごいと思った時だけ褒めます。
最近は子供に気を遣いすぎるように思います。”いつもいつも笑顔で優しく”という風潮なのか、最近のお母さんは叱らないですよね。特に若いお母さんは。
うちは怒鳴りますよ。感情的になって怒ることがいけないような風潮がありますけど。しかも怒鳴った後は絶対謝らないです、だってヒロだって「さっきあんなに怒ったのに、なんで謝るの」って思うじゃないですか。つまり自信をもって本音で、子供と向き合って怒鳴るのです。

 

3. 僕も言われて育ったのですが「うちの子は大したことないですよ」と周りに言うのはどう思いますか?

久美子さん:日本人の美徳ですよね。私は自分の子をけなすことはしません。まあ、謙虚な姿勢を忘れてはいけませんし、お世話になった方々への感謝の気持ちは絶対に忘れません。でも、本当に大した勉強をせず、まぐれで合格したようなときには「特に何もやっていません」とは言っています。よく勉強法など聞かれますが、いつも何も隠すことなく、ありのままを話します。サービス精神が旺盛すぎるかもしれません(笑)

 

最後に、久美子さんは締めくくりました。

 

久美子さん:親子関係でもっとも重要なことは「信頼」だと私は思います。
世の中にはいろいろなタイプの親御さんがいらっしゃると思います。友達のような若くてお洒落なママ、すっごく偉くて尊敬できるパパ、頭が良くていろんなことを教えてくれるママ、お金持ちで何でも買ってくれるパパ・・・
でも、一番幸せな親ってどんな親なのでしょうか?
私は”子どもから信頼され、そして子供をとことん信じることができる親”だと思います。そして親子間の信頼関係がしっかりしていれば、子どもはまともに育ちます。

もし、皆さんが親子間の信頼関係を強くして賢い子を育てたいなら、私は”本音の子育て”をお勧めします。

そしてもし、皆さんが”お金を掛けずに”お子さんを賢い子に育てたいなら、まずはお母さん・お父さんである皆さんが賢くなってください。

それから、子供の可能性に親が独自の判断で制限をかけないこと。また、ほんとに賢い子はゲームからでもテレビからでも、何からでも学んでいるように思います。机の上で参考書や問題集をやることだけが勉強ではないと思います。

 

加藤さん関連リンク

● ブログ「クルマ好き”検定親子”は道なき道を走り続けます!」:こちら
●「固有名詞」子育て – ふつうの子でも知らぬまに頭が良くなった55の方法(朝日新聞出版):
詳細はこちらにて!

 

MET People

第1回:さとう桜子さん(がん患者にも優しいエステサロンで起業)
第2回:小松崎友子さん(アジアに日本を売り込むPRプロデューサー)
第3回:羽田賀恵さん (日本に”ローフード”を広める社会起業家)
第4回:ローレン・ファイクスさん(レストラン・レコメンデーションアプリ”Quchy”ファウンダー)

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