ダニエル・スノーデンさん(イギリス)

インタビュー&構成:徳橋功
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Daniel Snowden
ソフトウェア開発者

 

日本が僕にとってもっと快適になるように変わって欲しい・・・とは全然思いません。

 

今回は、日本に頻繁に旅行に訪れるイギリス人、ダニエル・スノーデンさんをご紹介します。

私たちが六本木で小さな飲み会を開いたとき、参加メンバーの一人が彼と一緒に来ました。幸いにもその会の参加者は全員英語を話すことができたので、ダニエルさんは背景を異にする人たちと話したり、自身の考えをシェアしたりして楽しい時を過ごしていました。

それをきっかけに、私たちは彼が東京に来るたびに会うようになりました。そこでMy Eyes Tokyoは日本への愛あふれるダニエルさんに、お礼の気持ちを込めてインタビューさせていただくことにしました。

*インタビュー@秋葉原
*英語版はこちらから

 

日本は好き でも仕事する場所じゃない

僕はイングランド北部、ロンドンから北へ電車で2時間ほど行ったところにあるリーズという街で働いています。日本が好きで、何度も日本に来たくらいだから、もちろん日本での求人をチェックしたこともあります。でも僕はKaroshi(過労死)のことを聞いて、日本で仕事をするのはやめようと思いました(笑)今のところ日本で働くことを考えてはいませんが、もし日本の労働環境や労働文化が変われば、また考え直すかもしれません。

僕は数ある日本文化の中でもアニメが大好き。20代の頃にその魅力に目覚めました。僕がハマった最初のアニメは、日本で1982年(昭和57年)に放送された『超時空要塞マクロス』。イギリスで10年ほど前にインターネットで見つけました。それ以来『蟲師』『僕だけがいない街』などのアニメ、さらには『リング』『呪怨』など日本の実写映画も観るようになりました。

 

初めてのアジア 初めての日本

僕が初めて日本に来たのは、2012年2月。それ以来、日本には9回来ています。東京以外には京都、広島、呉(海事歴史科学館)、宮島、札幌などを訪れ、昨年はつくばにある”筑波宇宙センター”に行きました。でもそれら以外の場所は、日本ではまだ行ったことがありません。

僕が初めて日本に降り立った時、とてもワクワクしたことを今でも覚えています。日本は当時、僕にとって全く未知の国だったし、しかもそれが僕にとって初めてのアジアだったからです。それまで行ったことがあったアメリカやヨーロッパとは別世界だったので、成田空港に着いた時、ちょっとしたカルチャーショックを受けました。ひらがなやカタカナ、漢字で書かれた看板がとても印象的でした。幸いにも僕は日本語を少し勉強していたので、少しだけ読むことができましたが。

初来日は、友人と一緒でした。彼は昔からの友人で、日本の文化や社会について学んでいました。初めて日本に来るずっと前に、僕は日本に興味を持ちましたが、そのきっかけは彼です。僕は日本や日本文化に長らく興味を持っていました。後に彼が日本でALT(外国語指導助手)として働くようになってから、日本をよく知っている彼の家に泊めてもらうようになり、おかげで日本に来やすくなって(笑)それから日本に頻繁に来るようになりました。そして今では、東京や広島、札幌に友人がいます。それも僕が日本に何回も来る理由です。

 

「日本の日常」が見たい

僕が日本に来るたびに、日本が2020年のオリンピックに向けた準備を着々と進めていることが分かります。東京で僕が好きな街のひとつ、秋葉原にもそのような変化を感じています。2012年に初めてこの街に来た時、同人誌を扱うお店がたくさんありました。でも今は当時ほど多くない気がします。かわりに外国人観光客向けの電気店や免税店が増えました。でも今もフィギュアを売っているお店があるので、ありがたいです(笑)

僕は日本のポップカルチャーが大好きですが、昔ながらの日本にも興味があります。秋葉原の近くには神田明神のような場所もありますよね。昨日は大宮公園の盆栽美術館に行きました。また、これまでいかにも”東京”な場所を訪れてきたので、最近は埼玉県の大宮や千葉県の柏のような、観光地ではない”普段の日本”を垣間見られるような場所に行くようになりました。観光客にはあまり魅力的ではない街かもしれませんが、僕は駅の周りを歩き、地元の人たちがどんなお店やレストランに行くかを見て楽しんでいます。またターミナル駅にある大きなショッピングモールやレストランも、イギリスではほとんど見ないので面白いですね。

僕が日本でしてみたいのは、全国を旅すること。まだ一日しか滞在したことがない京都のような街に行って、もっと多くのお寺や神社、お城を見たいですね。僕はこれまで関東をメインに周ってきたので、今度日本に来たら関西をじっくり周りたいと思います。

 

ダニエルさんにとって、日本って何ですか?

「矛盾の地」です。

僕は、他のどの国よりも先進的でハイテクなものが日本にたくさんあることに気づきました。でもその一方で、時代遅れなものも日本にたくさんあることに、皆さんは気づくと思います。 例えばFAXや預金通帳ですね。それが面白いです。日本には伝統とモダンという形で矛盾が存在しているように思います。

世界が日本に影響を与えただけでなく、日本も世界に影響を与えています。例えばトヨタの生産システムである”かんばん方式”(ジャスト・イン・タイム生産システム)は、欧米のメーカーでとても人気です。僕は日本と欧米が、お互いの業務慣例の一番良い部分を活用し合うと良いのではないかと思います。

でも僕は、日本が僕にとってより馴染みやすい、快適な場所に変わってほしいなどと全く思っていません。なぜなら僕は、国の成り立ち方や在り方を理解すること自体に興味があるからです。

僕は日本が、ある方向へと変わってほしいとは思っていません。むしろ日本には、自らの文化や社会を高く評価してほしい。僕はいつも、日本がユニークで魅力的な国であってほしいと思っているのです。

 

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