TEDxKyoto2013に行ってきました!
お久しぶりです!My Eyes Tokyo内で関西からの様々な情報をお届けしています、山田多津です。約7ヶ月ぶりの取材で伺ったのは、昨年始まった「TEDxKyoto」。私個人としては「もう1年が過ぎたのか・・・」という身震いと恐怖も若干ありました。それは、2回目を迎えたこのイベントの運営スタッフの皆さんも、もしかしたら同じだったかもしれませんね。
*Twitter@tazu888
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昨年、記念すべき第1回を大成功に収めたTEDxKyoto!(昨年の記事はこちらをクリック!)
第2回となる今年は、9月29日(日)京都市左京区西院の京都外国語大学森田記念堂にて行われました。登壇者、参加者、ボランティアスタッフなど総勢800人近くの人々が一体となり、大成功で幕を閉じました。
2013年のテーマは「序破急」。能楽や雅楽など日本の伝統芸能の形式であり、物事や文章の三段構成の概念としても用いられています。
素晴らしいアイデアは常に化学変化を起こす。人は成長しながらアイデアを生み出し、アイデアは世の中の変革を促す。そして変革の中でさらにアイデアが生まれ、そのアイデアは次の世代へと受け継がれていく – この人と世の中の変革のスパイラル、絶え間ない循環が、今回のテーマでした。
登壇者は主に;
1625年より十三代続く京都の伝統的な家に生まれた、能楽師の林宗一郎氏。
日本のGoogle Glassとも評されるプロジェクト「Telepathy One」で、身にまとうコンピューター(ウェアラブル・デバイス)の技術を世に送り出している、モバイル・デバイス・デベロッパーの井口尊仁氏。
本家TED2013にも出演し、会場をスタンディングオベーションに包んだ、世界的に有名なヴァイオリニストのジヘ・パク氏
・・・など情報、芸術、教育、テクノロジー他さまざまな分野で注目されている方々20名。
*TEDxKyoto2013各登壇者のプロフィールは、こちらをご覧下さい。
また、パントマイムやジャグリング、マジックやブレイクダンスなど、様々な分野のスペシャリストから成り、”プロジェクションマッピング”との融合により、これまでにないパフォーマンスを見せてくれるスペシャリスト集団「Gear」(写真左)や、自転車、段ボール、水、さらには身体や声など、楽器ではないモノを楽器にし、 そこに映像ギミックやダンスパフォーマンスなどを組み合わせ、独自の不思議なライブ世界を作リ出す「オリジナルテンポ」(写真右)などのパフォーマンスも会場を大いに盛り上げていました。どちらも国境、世代を超えて誰もが楽しめるユニバーサルな舞台として注目を集めています。
参加は昨年同様に招待制。今年も休憩時間にはお抹茶や京菓子などが並び、アフターパーティーではすき焼きがふるまわれるなど、京都ならではのおもてなしを受けながら、参加者同士の横のつながりが至る所で生まれていました。また、イベント運営における電気の100%(7852kWh)がグリーン電力で賄われていたり、スマホアプリでパンフレットの写真やTシャツの絵柄を撮影すると、クラウド上のコンテンツが自動的に登場する、富士ゼロックスによるコミュニケーション技術「SkyDesk Media Switch」が導入されたりと、新たな試みも実施されました。
さらに今年の特徴としては、TED Talksよりビデオ上映された、TEDフェローでアーティストのキャンディ・チャン氏のスピーチ「死ぬ前にしたいこと」(*スピーチ映像はこちら)に出てくる伝言板”Before I die I want to …”をTEDxKyoto2013の会場に設置。参加者がそれぞれの想いを書き入れました。
ニューオリンズに住むキャンディさんは、家の近くの空き家を使って近所をもっと素敵な空間にできないか、自分の人生を何か永遠に変えるようなものはないかと考える中、大切な友人の突然死に直面しました。それを機に「死」について考えるようになったキャンディさんは、その空き家を「死ぬ前に私は__したい」という穴埋め式の伝言板に変えました。通りがかった人がチョークを取り、自分の人生を振り返り、個人的な望みを公共の場で共有できるようにしました。
この伝言板はツールキットとなり、世界中で作られています。
彼女の語る「私たちの持つ一番大切なものは、時間と他の人との関わりです」という言葉からもわかるように、今回このTEDxKyot2013に関わった「全ての人達が共有する時間と人との関わり」というのは、考えてみれば本当に貴重なものなのだと改めて実感しました。
最後に、今年は登壇者紹介の合間にボランティアスタッフの代表者数人の話を聞く時間もありました。大阪大学大学院工学研究科准教授であり、TEDxKyotoのプロデューサーでもある金谷一朗氏によれば、TEDxKyotoのボランティアメンバーは大きく分けて;
① エグゼクティブグループ
米国TEDとのライセンス交渉・資金管理・パートナーの募集を担当する、TEDxKyotoのコア中のコア。
② プロダクショングループ
スピーカの選定(キュレーション)、旅行手配、同時通訳、ショー制作(音響・照明・舞台製作など)など、イベント当日のホール内で起こること全てに責任を持つ。
③ オペレーショングループ
参加者のおもてなしや会場デザイン、イベント当日にホール外で起こること全てに責任を持つ。
④コミュニケーショングループ
広報からコミュニティ管理まで、広大な範囲の責任を持つ。
以上4つに分けられているそうです。
私自身これまでいくつかの「TEDx」に参加しましたが、TEDxKyotoはボランティアスタッフ自身ひとりひとりが、楽しみながら自らの役割を全うし、情報共有され運営されているのがわかります。このように運営体系を開示することは、今後TEDxを開催したいと考えている方々にはとても役に立つ情報でしょう。金谷氏は今後も舞台裏で起こっていた様々な奇跡を書ける範囲で書いていくとおっしゃっています。
今後、アーカイブ映像が日英字幕付きでYoutubeにアップされます。 京都から放つTEDxKyoto2013のパワーを感じてください。
来年も楽しみだ!
登壇者のTEDxKyoto2013への感想
■瀬尾拡史(せお ひろふみ)3D デザイナー
-ズバッと!東大な日々。- の、その後の日々。
「TEDxKyoto 2013」 http://www.sciement.com/blog/3dcg/tedxkyoto-2013/974/
■井口尊仁(いぐち たかひと)モバイル・デバイス・デベロッパー
以心伝心記 – Technology is anything that wasn’t around when you were born –
① TEDx Kyoto 2013 “Connecting world and Telepathy One” Script Final Ver. http://takahito.hatenablog.com/entry/2013/09/30/182000
②「TEDx Kyoto 2013 格闘記 “広めるべき価値のあるアイデア”が自分の中にあるのか?と言う問いかけ –」 http://takahito.hatenablog.com/entry/2013/10/01/120648
③ 「TEDx Kyoto Follow-up どうして自分はずっと”コネクト、コミュニケート、シェア”にコダワリ続けているのだろうか?」 http://takahito.hatenablog.com/entry/2013/10/04/202508
■堀潤(ほり じゅん)ジャーナリスト
「TEDxKyotoで伝えたかった”個人発信の未来”」
http://www.huffingtonpost.jp/jun-hori/tedxkyoto_b_4060696.html
■金谷一朗(かなや いちろう)計算幾何学・計算機科学研究者
PINEAPPLE BLOG
http://blog.pineapple.cc/
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