自宅待機
ダニエル・ペンソ
コラムニスト/翻訳家
今回のコラムのタイトルは、10代や、私の娘など子どもたちにとって、まるで音楽のように耳にする言葉。家ならやりたいことができるので、娘にとっては家にいる方が好きみたいです。学校にいたら、生徒は教育のために組まれた時間割に従わなければなりませんよね。
ご存じのように新型コロナウィルスにより、一時的に学校が閉校し、子どもたちは家にいるよう言われました。カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は最近自宅待機命令を出し、子どもだけでなく大人も自宅に留まるよう命じられました。国による検疫施設が置かれていない中、カリフォルニアに加え多くの州が自宅待機令を発令。この命令は住民の行動を食料品店やホームセンターへの買い物、および郵便局での用事に制限するもので、公園は菌やウィルスの拡散を防ぐために封鎖されました。
ウィルスが人類に対する重大な危機をもたらす可能性があるため、これらの措置を取ることは理解できます。しかしインフルエンザなどの流行性感冒は太古の昔より存在していたにもかかわらず、新型コロナウィルスに対し講じられたような広範かつ世界同時的で極端な対策は実施されてこなかったわけです。米副大統領のマイク・ペンス氏が「新型コロナウィルスはインフルエンザの3倍の致死率を持つ」と言ったため、さらなる予防措置を取る必要が生じたことはもっともなことです。しかし、同じような措置はH1N1(H1N1亜型:A型インフルエンザウィルスの亜型の一つ)や豚インフルエンザ、SARS、エボラ出血熱、その他たくさんのこれまでの流行性疫病には講じられませんでした。なぜ今なのでしょうか?
この問いに対する回答は無数にあります。いずれにしても、現状は日本語で言う”しんどい”ものです。この言葉には腹立たしい、わずらわしい、厄介、苦しいなどネガティブな形容詞が込められています。親が子どもと楽しい時を過ごす一方、皆さんがお子さんに提供できるエデュテイメント(edutainment:教育的要素が含まれている娯楽)は限られています。
私たちにとって今は”しんどい”時。じっと耐えて、乗り切っていきましょう!
米カリフォルニア州在住の日英翻訳家。1999年~2009年の約10年間住んでいた東京を”第2の故郷”と呼ぶ。趣味は旅行、語学、食。日本への旅行時には落語を楽しむ。
*ダニエル氏の詳細は以下のページをご覧下さい。
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