Tell me, Japanese people! 〜日本人に聞きたいこと 企業版〜 Vol.2

インタビュー:徳橋功
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My Eyes Tokyoは2017年、新たな試みを始めました。“日本で活躍する外国人”とのインタビューです。彼らから見た日本や日本の企業文化などを語っていただくと共に、日本で生活する中で生まれた疑問点を赤裸々に書いていただきました。第1回目は1964年創業の老舗PR会社”共同PR”、そして第2回目の今回は・・・

株式会社テーブルクロス

です。

この会社は創業が2014年と新しい会社で、しかも当時21歳の女子大生、城宝薫さんがリリースしたアプリ(社名と同じ「テーブルクロス」)から出発しました。このアプリを使ってレストランやバー、居屋などに予約することで、発展途上国の子どもたちに給食を送ることができるという、非常にユニークなものです。

このアプリが人気となり、機能をさらに充実させる必要が生まれました。そのためITエンジニアの増員を考えた城宝さんでしたが、十分なスキルを持ったエンジニアが国内に少ないという実状に直面。そこで城宝さんは海外に目を向けました。

”チェンジメーカー”城宝さんのお眼鏡にかなった人は5人。私たちはイギリス、アメリカ、ジャマイカ、中国からやってきたスターエンジニアたちにインタビューしました。

*唯一無二のレストラン予約アプリ「テーブルクロス」が生まれた背景についてはこちらをご覧ください。
*英語版はこちらから
英語版校正(一部インタビュー):ジェニファー・A・ホフ

 

インターン

 

タニーシャ・ダットさん(イギリス)

私は他のインターンたちと一緒に、テーブルクロスアプリのユーザーさんの行動に基づいたレストランお勧めシステムの構築を手伝っています。おかげさまで私のプログラミング技術は上がり、データベースの使い方も学ぶことができました。それらに関する知識がほとんどなかったので、すごく楽しくて新鮮でした。テーブルクロスのような会社で働くことは、私にとって全く新しい体験で、ITのでついに実際に仕事をするという経験ができました。職場での経験を経て、他の人たちと共に仕事をしたり、より効率的にプログラミングをすることへの理解を深めることができたことが嬉しいです。

私はコンピューターサイエンスを専攻する学生で、ちょうど大学1年生の課程を終えたところです。個人的にはコンピューターサイエンスのどの分野を自分が追究していきたいか分からないので、今から卒業後のキャリアパスを見つけるべく動いています。仕事やインターンシップを見つけることに夏季休暇を充てることは、大学4年に向けて経験を積みたい私がやりたいと思っていたことなのです。

私が日本に来たのは、インターンに応募して大学から選ばれたからです。私の大学は、私のような学生に海外での就労体験を提供するインターンシップ会社とコラボしています。私が大学で海外インターンプログラムの案内を見た時、私はすぐに「これは私のためのプログラムだ!」と思いました。会社は日本やベトナムでの2か月間のインターンプログラムを提供していましたが、私は日本を選びました。日本の日々の生活を体験してみたいとずっと思っていたからです。私は『進撃の巨人』や『東京喰種』『ドラゴンボールZ』『遊☆戯☆王』『爆転シュート ベイブレード』など、日本のアニメにずっとハマっていました。それにイギリスと日本の生活スルの違いを見るのも面白いです。例えばお箸のエチケット。私はこれまでイギリスで一度もお箸を使ったことが無いから、この会社のみんながランチの時に私をからかうんです(笑)でも最初の頃に比べたら、お箸の使い方がうまくなったと思いますね。

お世話になったインターン会社がテーブルクロスを紹介してくれました。最初にこの会社のことを聞いた時、私は彼らのビジョンを実現する一人になりたいと思いました。イギリスでは毎週土曜に寺院に行ってお祈りするのですが、私はそこで掃除したりおを作ってコミュニティの人たちに提供したりしています。この経験が、子どもたちを支援するチャリティー団体と連携するテーブルクロスに興味を持った理由です。その支援は誰もが毎日のように使えるアプリを通じて簡単に行うことができます。私はスカイプを通じて城宝薫さん(テーブルクロス代表取締役)や劉俊さん、ラディーム・ブダイさんから面接を受けましたが、それを通じて感じたのは彼らのフレンドリーぶり。日本に行きたいという気持ちがさらに強くなりました。私は来日前にもかかわらず、日本に到着し会社のみんなが私を歓迎してくれて、幸せで穏やかで楽しい暮らしができるだろうと確信しました。

私はもうすぐ日本を発ちますが、この会社が成長し、その成長を示すべく日本中にオフィスを持つようになれば良いなと思います。テーブルクロスアプリがもっとたくさんの人たちやレストランに使ってもらえるものになり、やがてさらにたくさんの途上国の子どもたちを支援し、テーブルクロスが世界に与えようとしているインパクトを示すことができると信じています。

いつかまた日本に戻ってきたいです。それがたとえ休暇でのであっても・・・だって私は日本が大好きだから!

質問:なぜみんな、外国人をじっと見るのですか?

 

マロリー・ベイカーさん(アメリカ)

私は上司(劉俊さんとラディーム・ブダイさん)と共に、テーブルクロスアプリのレストラン推薦機能のプログラミングを担当しています。ユーザーにとって使い心地の良いアプリになっているかを確かめることで、さらに他のユーザーの利用を促すのが狙いです。企業向けのプログラミングはこれが初めての経験なので、すごく良い経験をさせていただいています。私はアメリカでもまだ企業で働いた経験が無く、しかもインターンの経験もこれが初めて。私は現在、情報システムを学ぶ学生で、もうすぐ大学3年生になります。

私が通っているカンザス州の大学には、大きな海外留学機関があります。様々な種類のプログラムを提供しており、私は特にアジアに特化したプログラムに応募しました。複数の都市のいろんな企業と面接しましたが、その一つがテーブルクロスでした。私は代表の城宝薫さんや劉俊さんと今年5月にスカイプで面接し、6月初めに入社しました。

実は日本以外にも選択肢はありました。でも私は、日本に来れば自分が女性として職場で戦力になれると思ったのです。さらに、日本はポップカルチャーと光り輝くネオンと美しいが混然一体となっていますよね。でも日本に住んでいる知り合いがいなかったし、日本語も学んだことが無かったから、日本についてそれほど知識がありませんでした。ただ、それが私が選び得る最高のシナリオだったと今にして思います。なぜなら私は日本でたくさんのことを学んだからです。私は日本で、いかにして異文化に溶け込んでいくかを学びました。本当に素晴らしい経験でした。ただその一方で、日本にいた2か月間で大変な思いをしたこともありました。ホームシックに何回もかかったからです。カルチャーショックもわずかですがありました。例えば電車。私はカンザスでは電車を使ったことが一度もないのです。もう一つ、おいしいハンバーガーも懐かしくて(笑)

私は大学で、ある障害を抱えた人たちを支援するボランティアに関わっていたので、テーブルクロスについて耳にしたとき、その理念がすごく心に響きました。アプリを使うことで、世界中の人たちを助けていると感じられるのですから。その目的が素晴らしいし、使命として負うにふさわしいものだと思います。社長の城宝さんは、本当にすごいことを始めたのだと思います。そして私自身が、たとえ一番末端の部分であってもそれに関われたことをとても嬉しく思っています。とても若い人が何かを立ち上げ、それが成功するのを見るのは本当に刺激的なことだし、本当に素晴らしいことです。テーブルクロスアプリは日本だけでなく他の国でも展開してほしい。もしアメリカで使えるなら、私はきっとアプリを使うと思います!

質問:ゴミ箱は一体どこにあるのでしょうか?

 

アンドリュー・ラヒングさん(アメリカ)

撮影:多田智美さん

僕は今、テーブルクロスアプリそのものやユーザーおよびカスタマーエクスペリエンスの向上、さらには子どもたちへの寄付をよりスムーズに行えるようにすることを目指し、2人の上司(劉俊さんとラディーム・ブダイさん)と共にデータベース構築に取り組んでいます。僕はウェブサーバーやサーバーホスティング、サーバー保守の経験は豊富ですが、劉さんやラディームさんはそんな僕にデータ系の知識を教えてくれました。それらは僕がこれまで携わってきたこととは異なりますが、それでも分野としては共通しています。僕が持つスキルを活かせる部分はありますが、ここでは新しいスキルを吸収しています。

僕はこれまで10年近くの間、プロとしてIT系の仕事をしてきました。最初の職場は中小企業向けのコンピューター修理および販売をする会社で、18歳の時に入社しました。そこで2年間働いた後、コンピューターサイエンスを学ぶために大学に入学。学士号を取得後、22歳の頃に大学で働き始め、学内のサーバー管理やウェブサーバー保守を担当しました。学業から離れていた間、僕はもうひとつ、マイクロソフト認定資格を複数取得しました。そして最近大学に復帰。それは資格よりも学位を重視しようと思ったからです。資格は数年毎に更新が必要ですが、学位はその必要はないですよね。そんなわけで今、僕は大学で学業と仕事の両方に取り組んでいます。

テーブルクロスにインターンとして参加するきっかけは、今年3月に紹介会社からいただいた連絡でした。僕の大学の構内に合ったその会社が僕に連絡をくれ、履歴書を送るように言いました。送った履歴書が日本にある複数の会社に送られ、そのうちの1社であるテーブルクロスが僕のキャリアに興味を持ってくれた – これが僕がテーブルクロスに参加した経緯です。もともと、僕は日本で休暇を過ごしたいとずっと夢見ていました。僕は日本に来る前から、日本の公共交通機関の効率の良さについて知っていましたし、日本の人たちは誰もが素敵で素晴らしいと聞いていましたしね。彼らは人見知りの面もあるかもしれないけど、困ったときはすごく助けてくれます。だから僕は、すでに他のアジアの都市で働くという選択肢がありながらも、その人材紹介会社が僕に声をかけてくれた時、日本で働こうと決めたのです。

僕はテーブルクロスの「テクノロジーを駆使して子どもたちに食事を届ける」という理念が大好きです。これまであまりチャリティーに縁が無かった僕のような人でさえ、このアプリを使えば、生活を大きく変えることなく子どもたちを支援することができます。もし僕がここで、より多くの子どもたちに食事を届けるために何か力になれるのなら、僕は安心して眠ることができるし、より満たされた気持ちになるでしょう。僕は8月半ばにアメリカに帰りますが、今まで以上に食べ物を寄付するチャンスを手にできるようになるために、僕はこのアプリの品質がアップし、より多くのユーザーを獲得し、より多くのレストランが加入するのを見届けたいと思っています。そして僕は、このアプリが全ての人たちのスマホにインストールされるくらいになることに貢献したい。そしていつか「テーブルクロス」という名前が広く人々に知れ渡るという偉業を成し遂げてほしいですね。

撮影:多田智美さん

質問:なぜ電車が週末に24時間運転されないのですか?

 


インターンの皆さんと城宝薫さん(テーブルクロス代表取締役)

 

その上司たち

 

ラディーム・ブダイさん(iOSエンジニア/ジャマイカ)

僕はこの会社で約半年間、エンジニアとして働いています。「テーブルクロス」アプリのコンセプトやアイデアを聞いたとき、僕はそれが本当にクールだと思った。なぜなら外食するだけで、困っている子どもたちに何かを与えることができるのだから!僕は普段料理をしなくて、することと言えばレストランに行って食事代を払うだけ。でもそれが子どもたちを助けることにつながるのだから、テーブルクロスが僕自身のアイデアだったら良かったのに・・・と思いますね(笑)

僕は2年前、ALT(Assistant Language Teacher, 外国語指導助手)として日本に来ました。その前に4年間、日本で英語の先生をやっていた僕の友人から「日本に来ないか?」と言われました。確かに僕は日本の車や、ドラゴンボールやポケモン、プレイステーション、ソニーのビデオゲームなどの日本のポップカルチャーが好きでしたが、日本に来ることには興味がありませんでした。 だけど別の友人までが「日本で英語を教えるのは最高だって聞いたことがあるよ。調べてみれば?」と言ってきたんです。結局僕は、彼らに説得される形で「じゃあ日本で英語を教えてみるよ」と折れました(笑)僕はジャマイカという小さい国にいることに、飽き飽きしていました。それに、日本のITやエンジニア分野での労働市場がジャマイカのそれよりもはるかに大きいことも知りました。アメリカに行くことも考えたことがありますが、日本の人たちがとても良い人たちで礼儀正しいと聞いたことがあったので、日本を選びました。それに日本はめちゃくちゃ治安が良い。だから日本語を学んだ後に、日本の会社に入社しようと考えました。

僕は昨年10月、人材紹介会社を通じてこの会社を紹介されました。それまで何年も東京で英語を教えていましたが、もともと僕はIT畑の人間です。大学でコンピューターサイエンスを専攻し、叔父の会社でインターンシップを受け、その後システムアナリストとして、ジャマイカ政府と叔父の会社の両方で仕事をしました。

僕は今、テーブルクロスについてもっと多くの人たちに知っていただき、僕たちのサービスを支援していただきたいと思っています。皆さんがいつも使ってくれるようなアプリにしたいし、日本の全てのレストランに登録してほしい。それを実現させるために、僕はアプリでできることを全て試し、最新のiOS技術に常にキャッチアップするよう改善を重ねていきたいと思います。

質問:慈善団体に寄付をすることについて、皆さんの見解はいかがですか?

 

劉俊さん(システムエンジニア/中国)

弊社では「テーブルクロス」アプリを通じて支援している子どもたちに実際に会いに行くという取り組みを行っています。地元の市場で食材を手に入れ、子どもたちと料理をし、一緒に食事を楽しみます。私は貧困に苦しんでいる世界中の人々への慈善活動や、社会貢献に昔から関心を持っているので、その活動には是非参加したいですね。

もともと私は中国の上海で約6〜7年、ITエンジニアとして日本企業向けのソフトウェア開発に携わりました。当時はまだ言葉の壁があったため、私はクライアント – その多くは金融関連会社でしたが – とのコミュニケーションがうまくできませんでした。だから私は、日本で仕事をしながら自分の日本語力を伸ばしたいと思いました。その後日本の会社の求人を偶然見つけて応募。幸運にも入社試験に合格しました。

そうして私は約3年前に来日し、東京のIT会社に入社しました。そこで働いていた間、2〜3社のクライアント企業に派遣され、そこでソフトウェア開発をしていました。そこでは厳しいセキュリティのもとでの仕事を余儀なくされました。クライアント企業の社員の多くは遅くまで働いていました。しかも私たちはクライアントの指示で動いていたため、自分たちで何かを決めることは容易ではありませんでした。複数の企業が関わるプロジェクトでは、誰もがすぐに修正できるバグを見つけたとしても、そのバグの原因が誰だったのかを突き止めなければなりませんでした。だから私は、自社でサービスを開発する会社で働きたいと考えるようになりました。

そこで私は関連SNSのLinkedIn(リンクトイン)で就職活動を始めました。その後、ある日本人男性が私にテーブルクロスについて教えてくれました。その会社は自社でサービスを開発するので、すべての決定を自分たちで下しますし、他の会社に派遣されることもありません。しかも彼らはサービスを通じて社会貢献をしています。私は俄然テーブルクロスに興味を持ち、社長や他のスタッフとの面接に臨みました。私はこの会社の大らかさを感じました。こうして昨年10月、私は晴れてテーブルクロスの社員となりました。

私は将来的には、テーブルクロスアプリを中国語でも使えるようにしたいと思っています。しかしそれは今ではありません。今私たちがするべきことは、このアプリの日本語版の機能を強化することです。どうすればアプリがユーザーにとってより便利なものになるか、アプリを通じてどのようにユーザーにメリットを提供することができるのか、そしてより多くのレストランと提携するためには、どのようなメリットをレストランに提供するべきかを、私は常に考えています。またユーザーに対し「”良いことをした”という満足感」以外のメリットも提供する必要があります。

私は自分のアイデアを会社に提案し、毎日それらについて話し合っています。そんなことは、私が下請け会社で働いていたときにはできませんでした。だから今はとても仕事が楽しいです!

質問:皆さんはの実現に向けて何をしますか?

 

 

関連リンク

テーブルクロスHP: tablecross.com
☆アプリのダウンロードはこちら→ Apple Android
テーブルクロス Facebookページ:facebook.com/tablecross
テーブルクロスTwitter:@tablecrossvol

 

My Eyes Tokyo

Interviews with international people featured on our radio show on ChuoFM 84.0 & website. Useful information for everyday life in Tokyo. 外国人にとって役立つ情報の提供&外国人とのインタビュー

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