小松崎友子さん & 夜景サミットin香港

インタビュー&構成:徳橋功
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Tomoko Komatsuzaki
PRプロデューサー

 

 

知りたいから知らない世界に飛び込む。だからこそ、今の私があるのかも。

 

 

 

 

今回ご紹介する「Big Generator」は、一見とっても可憐・・・でありながら、実はめちゃくちゃイケイケでエネルギッシュで情熱的なです。

小松崎友子さん。PRのプロです。しかもPRの相手は主にアジアで、日本のサービスやプロダクトの存在を10億人もの人々に伝える、そんなすごい仕事をされているのです。そして近々”日本の夜景をに売り込む”というビッグイベントのプロデュースに挑みます。

そんな小松崎さんと私たちが初めて出会ったのは、昨年夏頃に開かれた「GTIC」という勉強会でした。My Eyes Tokyoではおなじみ、スタートアップ・アクセラレータの秋山智紀さんが主催する勉強会に、小松崎さんがプレゼンターとしてご登壇されました。その時から、小松崎さんの”海外に日本を伝える活動”に共感し、いつか詳しくお話をお聞きできたらと思っていました。

そして今年春頃ので小松崎さんと再会し、それから数ヶ月後、ついにインタビューが実現しました。そして私たちが導いた結論は、以下の通りでした。

「すごい人は、運命に流されない。運命の中から幸せだけを抽出し、自分の方に引き寄せる力を持っているのだ」。

それは小松崎さんがお知り合いだという、でおなじみ川上産業の杉山彩香さん(過去にインタビューしました。こちらをクリック!)にも共通します。成長する人は男性でも女性でも、動き回り走り回ることがチャンスを普通の人の倍にも3倍にも増やすことにつながる。それは逆に言えば、チャンスを得たければ走れ、動け!ということなのだと、小松崎さんのお話をお聞きして感じました。

*インタビュー@六本木
*版はこちらから

 

夜景を愛する者たちの集いin香港!

今年9月に「夜景サミットin香港」を開催します。元々夜景が大好きで、昔はお台場に毎週、それも週3回くらい行っていました。東京タワーもすごく好きで、夜中にイルミネーションを突然見に行ったり(笑)函館の夜景も東京から車で見に行ったくらいです。 これまで「Made in Japanをアジアに広める」ことをモットーに活動し、しかも夜景が好きで香港も大好き。そんな私が、夜景評論家の丸々もとおさんが運営する”夜景コンベンション・ビューロー”と、この企画を共催させていただきます。

夜景が好きでしたから、丸々さんのお名前もネットなどを通じて存じていました。ただし今回の企画につながるお話が来たのは、全く別の方向からです。千葉ポートタワーから見える夜景を収めたDVD兼ディレクターを、私が務めることになりました。それは、私が主催する勉強会「アフターナインラウンジ」の常連さんが千葉ポートタワーの運営会社の方だったことが背景にありました。私が大好きな写真家の野寺治孝さんと、大好きな作曲家の中村由利子さんの写真と音楽がぴったりと重なった、私の中では大変思い入れの強い作品です。

 
(左)写真家・野寺治孝さん&作曲家・中村由利子さんと
(右)小松崎さん渾身の一作。千葉ポートタワー内売店や、中村由利子さんのオンラインショップにてご購入いただけます。
http://threeknowman.com/item/itemgenre/yuriko/

その作品を多くの方々にご覧いただくためには、PRが必要だと思いました。そこで私は”夜景評論家”として知られる丸々もとおさんという方に、作品のご紹介をお願いしました。また、日本夜景遺産に登録されている175カ所の夜景も、ポートタワーに続くシリーズとして映像化したいというご相談もしました。
その席で丸々さんからご提案を受けたのが「夜景サミットin香港」でした。

 

アジアから日本に旅人を

私はPRプロデューサーとして、主に中国や台湾、香港の映画でのプロダクト・プレイスメント(劇中で役者に特定の商品を絡ませる広告手法)に携わってきました。それは先ほど申し上げた「Made in Japanをアジアに広めたい」という思いがあるからですが、例えば昨年は、日中合作映画『東京に来たばかり』(原題「初到東京」蒋欽民監督)という映画のプロモーションにおいて、ドン・キホーテさんと組み、訪日観光客に対するPRを展開しました。


ディスカウントストア「ドン・キホーテ」とアップした映画リーフレット。裏面には東京メトロマップを記載、ドン・キホーテ店舗の最寄駅も記してあります。*クリックで拡大 

この映画をきっかけに、訪日観光関係の方々から様々な仕事のオファーをいただくようになりました。そして私自身も、Made in JapanのPRだけでなく、東京にもっと人を連れて来たいと思うようになりました。いえ、元々は私がPRプロデューサーとして独立したきっかけが、映画を訪日観光促進に役立てることができると考えたからでした。

一方で「夜景サミット」は、丸々さんが過去に東京や大阪、長崎で計4回開催されていました。国内である程度形が出来てきたので、その次は世界的に夜景が有名な香港で開催したいと考えられていました。そのためのパートナーを丸々さんが探していたところに、偶然私と出会ったのです。日本の夜景を海外にアピールしたいと思われている丸々さんと、アジアから日本に人を連れてきたいと思う私が出会い、この企画が生まれました。

 

幸運のつかまえ方

私は好奇心が旺盛で、自分とは直接関係のないものでも知りたくなって、知りたいから知らない世界に飛び込むんです。今まで出会った方々の話をすると友人たちから「どこでそんなすごい人と知り合ったの??」と驚かれる。その場に自分が行って良いのかどうか、あまり深く考えず飛び込んでしまうので、そういう奇跡的な出逢いを多くいただけたのだと、いま振り返ると思います。

ただ、単にお逢いするだけではそこに仕事は生まれません。私は独立する前、ある映画タイアップ専門の会社で働いていたのですが、そこでは今では珍しいくらいストレートな営業をしていました。毎週水曜日は業界問わずあらゆる会社に電話をかけ続け、一日に5件、月に20件のアポを獲得、新規開拓営業をしてきました。年換算だと240件でしょうか。それだけ新しい人たちにお会いすると、もうあらゆる業界の状況や仕組みがわかるようになってくるんです。どんな業界の人と話しても何をゴールにしたいかがわかるので、相手の立場に立った提案ができるようになってくる。夜は夜でいろんなイベントに参加したり、わたし主催の交流会を開催し、会社の看板ではなく「小松崎友子」個人と付き合ってくださる方々とのネットワークを広げていました。昼間たくさんの業界の方々と仕事の話をすることでアンテナが磨かれ、その結果を夜の時間に発揮する、その良いスパイラルが確立され、現在に続く素晴らしいご縁に恵まれることが出来ました。

そんな中、2008年中国で『狙った恋の落とし方。』(原題「非誠勿擾」)という映画が公開されました。この映画の舞台が北海道だったため、中国から北海道にする人が前年の7倍にまで増えました。この映画がきっかけで、私に、地方自治体の観光課の方々や、旅行会社さんなどからの問い合わせが来たのです。いずれもわたし個人と付き合ってくださっている方々でした。

プライベートでよく香港へ行き、アジア映画業界とのネットワークを開拓した私に対して「中国映画でタイアップの仕事はされないのですか?」と言うご質問をいただきました。中国映画のロケ地誘致をしてもらえないだろうか、とご相談されたのです。

「これはイケる!」と思いました。私が勤めていた会社は、当時は中国映画を扱っていませんでした。ここにチャンスがあると思った私は、2010年1月にフリーランスのプロデューサーとして独立し、2011年3月には会社を設立しました。

 

幸運の引き寄せ方

私は、一番最初に申し上げたように香港が大好きで「仕事で香港に行けるようになろう」という目標を、20代の頃から持っていました。その目標達成のため、5年ほど前から個人の名刺を持って香港の映画業界やテレビ業界の人脈を築いていきました。

あの時は臆せずによくやったな、と思います。香港の大手配給会社さんやコンテンツ制作会社さんなど、約30社に挨拶に行きました。「私は日本人で、日本で映画の仕事をやっているんです。皆さんのコンテンツを日本に持って行くこともできるし、日本のコンテンツを香港に持ってくることもできます。だから一緒に仕事をやりましょう!」と言いました。

この時、私は当時勤めていた会社の話は一切しませんでした。とにかく「私は日本人だから、あなたより日本のことは知っている。だから皆さんの映画を日本で売ることができますよ」とだけ言い続けました。そんな私を面白がってくれた彼らは、私に中国の映画監督さんなどまで紹介してくれました。このような出会いが、やがて2012年の『東京に来たばかり』という映画での仕事につながったのです。

この映画での私の立場は”タイアップ・プロデューサー”でしたが、私はプロダクトプレイスメントだけでなく、結果的には映画そのものの企画段階から関わりました。またプロダクトプレイスメントの部分においては、私から大手飲料メーカー各社に企画を持ち込み、結果的に大塚製薬さんと仕事をさせていただくことになりました。

 

夢が頓挫、軸足を移す

『東京に来たばかり』は日本でも2012年10月に上映される予定でしたが、尖閣諸島問題が起きて、その話は残念ながら流れてしまいました。

2012年3月に中国全土で公開し、私自身もPRに奔走したり、また講演のご依頼もいただきました。そしてこれから北京や上海を回ろうとしていた2012年9月、尖閣諸島の問題が表出しました。それにより、中国本土でのビジネスは難しいだろうと思いました。

そこで私は、活動の舞台を香港や台湾に移しました。香港は政府レベルからして日本との関係は良好でしたし、台湾の人たちは「日本人になりたい!」というくらいの親日ぶりでした。そんな中いただいた、先述の夜景評論家の丸々もとおさんからの「夜景サミットin香港」のオファーは、私にとっては願ったりかなったりだったのです。

 

香港は”シャネル”、日本は”お香”

香港の夜景は素晴らしいです。香港では「シンフォニー・オブ・ライツ」という、高層ビル群から毎晩レーザー光線を上空に放つというナイトイベントが行われており、ここで香港政府観光局が自らの力量を見せつけます。


シンフォニー・オブ・ライツ(撮影:小松崎友子さん)

香港の夜景は、香りで言えばシャネルのようなブランドものの香水です。とにかく華やかで、ラグジュアリー。でも一方で日本の夜景、特に函館や甲府盆地の夜景のような、民家の灯りや元々ある街の灯りで出来た自然の夜景は、香りで言えば”お香”です。香りはほのかなんだけど、すごく癒される。そういう夜景です。だから「夜景サミットin香港」では、それらの夜景で日本を感じてほしいと思っています。

2013年8月12日現在、多くの自治体様や観光業界・飲食業界関係者のみなさまに参加表明をいただいています。しかも懇親会は、香港島と九龍の夜景が同時に楽しめる素晴らしい場所で行います。ここが私の一番の腕の見せ所ですね(笑)比較的せっかちな香港人と、割とゆっくり楽しむ日本人を、私がおつなぎします(笑)また気になる言語ですが、私たちが通訳をご用意しますので、広東語はもちろん英語力に自信が無いという方にも、お楽しみいただけると思います。夜景にまつわる方や、訪日観光関連の方々なら、きっと何かを得られるツアーになると思います。9月上旬まで参加者募集中です。
*お申し込み・お問い合わせ先は記事下をご参照ください(*すでに募集は締め切っています)

 

理由もなく嫌わないで

私は日本がすごく好きです。だからこそ、もっともっと日本を良くしていきたいし、日本の素晴らしさを近隣の国々にも伝えて行きたいと思っています。

だから、日本と近隣諸国との関係が今以上に悪化してほしくはないのです。時々、バーみたいなところで飲んでいると「俺、中国人嫌い」という人に出会います。そういう人は「何で中国の仕事なんてやっているの?」と聞いてきます。そこで私が「何で嫌いなんですか?」と聞くと「別に理由は無いけど」と言う。私はそういうのが一番嫌いなんです。中国人の友達がいるわけでも、中国のことを知っているわけでも無いのに、何でそういうことが言えるのか。

そして同じように、中国の人にも「日本人が嫌い」と言っている人たちが残念ながら存在します。


『東京に来たばかり』完成披露記者会見
2012年3月18日@北京 *撮影:小松崎友子さん

 

そういう人たちすべてに対して「私たちのことをもっと分かってほしい」とは言いません。しかし、自分の国について正しく伝え、中国について正しく知る努力をし、良好な関係を築く努力をしていくことが大切だと考えています。ひとりひとりのコミュニケーションと信頼の積み重ねが、国と国との理解につながっていくと信じています。日々の活動を、幸せな大きな未来につなげていきたいです。

 

「夜景サミットin香港」多くのメディアに掲載されました!

詳しくはこちらをご覧下さい。

 

小松崎さん関連リンク

株式会社イントゥ: http://www.in2jp.com/
『東京に来たばかり』公式サイト:http://tokyonikitabakari.com/ 
*2013年11月9日(土)よりシネマート新宿、中洲大洋映画劇場(福岡)にてロードショー!

 

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