ジャグモハン・チャンドラニさん(インド)

インタビュー&構成:徳橋功
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Jagmohan Chandrani
実業家/江戸川インド人会会長 (1978年来日)

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共通点を見つけることで、人は安心できるものです。

 

  長ーいひげが印象的なジャグモハン・チャンドラニさん。写真だと近づきがたい感じがするかもしれませんが、実はとっても紳士的な方です。ゆっくりと優しい語り口調で、いつも微笑みを絶やしません。

チャンドラニさんは日本で長らく、インド料理店や紅茶専門店など、故郷インドに関連する事業を営んでいます。また一方で”江戸川インド人会”の運営を通じ、異国で生活するインド人の生活支援もされています。彼の活動は日本のテレビ番組や新聞、雑誌などでも取り上げられ、すっかり有名になりました。

*インタビュー@西葛西(東京都江戸川区)
*日本語訳:田中千恵子
*英語版はこちらから  

 

インド人と日本人の間には仲良しになる土台があります

私の父は輸出入の仕事を営んでいます。私が大学を卒業すると、父は私に新規事業を開拓するよう言いました。「まだ誰も日本にはいないぞ」と言う父の言葉に背中を押され、私は来日を決意しました。父の会社は日本からプラスチックを輸入していました。私たちのようにインドから来日した者にとって、良いビジネスチャンスになると感じたのです。

日本に来日して感じたのは「新しさと古さの同居」です。見るものすべてが私には新鮮でした。私が生まれ育った環境とは、全く違った世界がそこにはありました。日本がどんどん変化して行く過程をを見るのは、とても興味深かったです。

私が来日した1970年代末頃、日本では旅行ブームが起きていました。彼らの新たな旅先として、インドが選ばれるようになったのです。当時の旅行者の皆さんは、今は40代から50代になっている頃でしょうね。学生時代にインドに旅行されたお客様もいらっしゃいます。そのような背景が、私たちを結びつける安定した土台になっています。  

 

似ているものがたくさんある日本

インドと日本には異なる点がたくさんあります。でも私たちは同時に、似ている点を見つけました。違うところを数え上げても、何の解決にもなりません。共通点を見つけることで、人は安心できるからです。これは何となく分かるな、これは理解できるなという点を見つけると、心が安定するものです。

事実、数えきれないほどの共通点があります。例えば挨拶する時のマナーや、年長者を敬う心、祭事の時の作法などです。お寺に行ってお祈りする時に、お賽銭やお供物を備えるでしょう?インドも同じです。こうやって、日本で多くの共通点を見つけたのです。  

 

落ちこぼれだった日本語クラス

私が日本に来た頃は、まったく日本語が分かりませんでした。私が大学で学んだことは、日本に全く関係がなかったからです。日本語は、日本に来てから独学で勉強しました。

来日後、3ヶ月だけ日本語学校に通いました。その頃は私がクラスで唯一のインド人で、生徒の大半は中国、台湾、マレーシア、シンガポール出身でした。

ひらがな、カタカナを学んでいる時、生徒はみな同じレベルでした。なぜなら誰もが初めて目にする文字だからです。でも漢字を習い始めてからは違いました。私以外の人は、みな漢字が理解できたのです。私だけが漢字が分からない状況で、このまま学習しても成果はでないだろうと思いました。クラスの進度に私だけがついて行くことができず、私は落ちこぼれてしまったのです。

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西葛西駅前。街一帯は「東京のリトル・インディア」と呼ばれています。  

 

家庭で楽しく過ごすインド人

日本に来るインド人は若い。だから楽しく過ごしたいと感じるものです。日本の方は、居酒屋さんなどに飲みに行ったり、カラオケに行ったりして発散しますが、インド人は誰かの家で楽しもうとするのが特徴です。

カラオケボックスやバーの代わりに、友達の家に行くのです。飲んだり歌ったりと、やることはカラオケに行く日本の方と変わりませんが、それを友達の家で夜通しやります。日本の方にしてみれば、どうしてかと不思議に思うかも知れませんね。

これが日本とインドの大きな違いであり、かつ日本の方に理解していただきたいところです。インド人は、どこかよその場所ではなく、家で過ごしたいのです。

ただし私たちは、日本の方に対してではなく、まずは我々インド人サイドに働きかけました。インド人の仲間に、家でパーティをする時は、オーディオのボリュームを下げるように伝えました。壁が薄いこと、他の部屋の人たちは寝ていることを説明し「ご近所の方々に不快な思いをさせないように」とインド人コミュニティの仲間にメールを送りました。

幸い、日本の皆さんは寛大で、我々のことを理解して下さいます。もちろん、中には怒らせてしまった方もいます。その方からは「電話の声がうるさい」とのご注意をいただきました。ただ幸いにも、大きな問題にはなりませんでした。たまに苦情を言いにいらっしゃる方もいますが、もめごとがあっても誠実に対処し、解決に持っていっています。  

 

インド人は孤独

誰かに会うと、とても幸せな気持ちになるもの。一方で私たちインド人は、ここでは孤独を感じています。もし皆さんが一人で家族と離れて暮らしていたら、友達と会いたくなりますよね。

私たちは長時間仕事しますから、そんなに友達と頻繁に会うことはできません。だから道端で誰かに会った時、そこで会話が始まります。時間は限られているし、皆忙しいですから、道端で会った時には「ここぞ!」とばかりおしゃべりするんです。

日本は、リスクを恐れずに一生懸命働く意思がある人にとっては、とても良い国です。もちろん、もし日本で働きたいなら、言葉と文化は理解しなければいけませんよ。

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チャンドラニさんにとって、東京って何ですか?

東京はとても面白い街です。チャンスもたくさんありますし、文化にも多様性があります。

でも私は東京はもっとインターナショナルな場所になると思いますし、もっと変化していくと思っています。

東京は、日本人以外の人も多く行き来するような街になった方がいいと思います。世界中の大都市を考えてみてください。例えばニューヨーク、ロンドン、フランクフルトなどは、東京よりもずっと多くの外国人が街を歩いています。

東京はもっと国際的な、世界の人々に対してオープンな都市になる必要があると思います。

 

チャンドラニさん関連リンク

ジャパンビジネスサービス:www.shanti-jbs.com/
スパイスマジック・カルカッタ:www.shanti-jbs.com/curry
*チャンドラニさんが経営する本場インド料理店。このお店についても取材しています。記事はこちらから!  

 

One thought on “ジャグモハン・チャンドラニさん(インド)

  • 2016/06/14 at 14:05
    Permalink

    Nice to meet you.

    I’m Takuya Numazaki and a student of Chuo university.

    I am contacting you because I have something to ask.
    Now I work for Tokyo 23FC(Soccer club), which plays in Edogawa as an intern.

    I know a lot of Indian people live in Edogawa and would like to hold an exchange meeting.

    Then, I’d like to make good relationship between our team and Indian people who live there to draw up some projects
    and also make our city better than before.

    If you mind, could you give us an opportunity to see you?

    I look forward to your response.

    Takuya Numazaki

    Reply

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